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雲雀たつ 荒野に生ふる 姫ゆりの 何につくとも
なき心かな
                 西行
               
(ひばりたつ あらのにおうる ひめゆりの なんに
 つくとも なきこころかな)

意味・・雲雀が飛び立つ荒野に生えている姫ゆりの
    揺れる姿は、何事にもとらわれる事もなく
    無心に咲いた花、それは美しく見える。

 注・・姫ゆり=「姫百合」と「揺り」を掛けている。
    何につくともなき心=何物にも囚われる事の
     ない自由な心。何事にも執着しない心。

作者・・西行=さいぎょう。1118~1190。

出典・・山家集・866。