むかしにも あらぬわが身に ほととぎす 待つこころこそ
変らざりけれ
周防内侍
(むかしにも あらぬわがみに ほととぎす まつこころこそ
かわらざりけれ)
意味・・昔と違って年老いてしまった我が身にも、
ほととぎすを待つ風雅の心だけは変わら
ないものなのだなあ。
いつになっても、風雅を愛でる気持ちを
持ち続けたいものです。
昔なじみの人の訪問も待ち望んでもいま
す。時鳥の鳴き声を聞いたら昔なじみの
人に会えると信じられていました。
注・・あらぬ=違った、別の。
ほととぎす=もとつ人時鳥と古来いわれた。
古馴染みの人がたまさかに訪れてくると
いう感じがこめられている。
もとつ人=昔なじみ。
作者・・周防内侍=すおうのないし。1035~1108。
後冷泉以下四代の宮廷に仕えた。
出典・・詞花和歌集・55。