山吹
春深み 井出の川波 立ち返り 見てこそ行かめ
山吹の花
源順
(はるふかみ いでのかわなみ たちかえり みてこそ
ゆかめ やまぶきのはな)
意味・・春が深まったので、井出の川波が立ち返るように、
幾度も立ち戻りながら、じっくり見てから行こう、
名物の山吹の花を。
山吹の花を見て最後の春を満喫しょうと詠んでい
ます。
注・・井出=京都綴喜(つづき)群井出町。山吹の花と蛙
とが景物。
作者・・源順=みなもとのしたがう。911~983。従五位
能登守。
出典・・ 拾遺和歌集・68。