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明けばまた 越ゆべき山の 峰なれや 空ゆく月の
末の白雲
                  藤原家隆
          
(あけばまた こゆべきやまの みねなれや そらゆく
 つきの すえのしらくも) 

意味・・夜が明けたら、また越えていかなければいけない
    山の峰であろうか。空を渡る月が傾いていくあの
    白雲がたなびいているあたりは。

    明日の行程として山のことを思う旅人の心境です。
    よしやっ、明日は頑張るぞ!

    山の峰は人生の荒波でもあります。

 注・・末=月の光の及ぶ末の意。

作者・・藤原家隆=ふじわらのいえたか。1158~1237。

    非参議従二位。新古今の撰者の一人。

 

出典・・新古今和歌集・939。