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亀の尾の 山の岩根を とめて落つる 滝の白玉 
千代の数かも
                  紀惟岳

(かめのおの やまのいわねを とめておつる たきのしらたま
 ちよのかずかも)

意味・・亀尾山の岩間を伝わって流れ落ちる滝の白玉は何と
    美しいのでしょう。その無数の白玉がすなわちあなた
    様の長いお年の数なのです。

    おば君の40の祝賀が催された時、女性の長寿を祝っ
    て詠んだ歌です。

 注・・亀の尾の山=亀山のこと。京都区右京区にある山。
    岩根=岩の下の方。
    とめて=求めて、ここでは「伝わって」の意。
    千代の数=非常に長い年月の数。

作者・・紀惟岳=きのこれおか。伝未詳。

出典・・古今和歌集・350。