img201

 


種まきし その世ながらの 友なれや 苔むす岩も
高砂の松      
                  源政賢

 

(たねまきし そのよながらの ともなれや こけむす
 いわも たかさごのまつ)

 

意味・・種をまいたその昔からの友であろうか。苔の
    むす高く大きな岩と木高い高砂の松は。

 

    岩と松は風光明媚な取り合わせであり、岩と
    苔の組み合わせは厳(おごそ)かな気持ちを誘
    う。これらの組み合わせは一朝一夕で出来な
    いものであり、その詠嘆を詠んでいます。

 

 注・・苔むす=苔生す、苔が生える。
    高砂=兵庫県高砂市付近。播磨の国の歌枕。
     岩と松の「高し」を掛ける。

 

作者・・源政賢=みなもとのまさかた。~1487。従二
    位権大納言。

 

 出典・・仙洞歌(岩波書店「中世和歌集・室町篇」)