のぼるべき たよりなき身は 木の本に しひを拾ひて
世を渡るかな
源頼政
(のぼるべき たよりなきみは きのもとに しひを
ひろひて よをわたるかな)
意味・・木に登る方策もない我が身は木の下で椎の実を
拾って暮らしてゆくことだ。(昇進の希望もない
私は、四位に甘んじて世を過ごすことだ)
正四位に長く留め置かれた頼政が三位への昇進を
望んで詠んだ歌です。
この一首によって昇進がかなえられました。
注・・のぼる=「登る」と「昇る」を掛けている。
しひ=「椎」と「四位」を掛けている。
作者・・源頼政=みなもとのよりまさ。1104~1180。非参議
従三位。1180年平家討伐のため軍を出し敗戦、自
害する。
出典・・平家物語。