矢車草
函館の 青柳町こそ かなしけれ 友の恋歌
矢ぐるまの花
石川啄木
(はこだての あおやなぎまちこそ かなしけれ ともの
こいうた やぐるまのはな)
意味・・函館の青柳町時代はとりわけ懐かしい。友の
恋歌をきいて楽しんだあの頃の生活よ。家の
周囲に咲きにおう矢車の花の思い出よ。
注・・かなし=愛し。いとしい、身にしみて思う。
作者・・石川啄木=1886~1912。享年27歳。歌集
に「一握の砂」、「悲しき玩具」など。
出典・・一握の砂。