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もの思ふと 隠らひ居りて 今日みれば 春日の山は
色づきにけり
                   詠み人しらず

(ものもうと こもらいおりて きょうみれば かすがの
 やまは いろづきにけり)

意味・・恋の思いにふさぎこんで、ずっと家に引きこもっ
    ていたが、今日久しぶりに見ると、春日の山はも
    う見事に色づいていた。

 

    童謡「浦島太郎」参考です。


    https://youtu.be/zehRgpGLDZ4


    昔々 浦島は 助けた亀に 連れられて
    竜宮城へ 来てみれば 絵にもかけない美しさ

    乙姫様の ご馳走に 鯛やヒラメの舞い踊り
    ただ珍しく 面白く 月日のたつのも 夢の中 
    ・・・・・ ・・・
    ・・・・・ ・・・
    心細さに 蓋とれば あけて悔しき 玉手箱
    中からぱっと 白煙 たちまち太郎は お爺さん

    一所懸命何かに打ち込んでいる時は、時間が止ま
    っている事を言っています。一つの事に集中して
    いる人には時間が止まっているが、その間も時は
    流れています。

    家に居て物思いをしている人には、自分だけの止
    まった時間を持っているが、外の季節は外の季節、
    世俗の時間は世俗の時間としてとうとうと流れて
    います。

    何かに集中して、充実していると、ああ、時間の
    経つのを忘れてしまったというような事があります。
    人生の時間というものは一定に流れるものではない。
    止まった時間、充実した時間を持つ事は素晴らしい
    事だ。

    表記の歌の作者は、どのような物思いで時間を止
    めていたのだろうか。         

 注・・物思(も)ふ=「ものおもふ」の約。思い悩む、物 
     思いにふける。恋に思い悩むとは限らない。

出典・・万葉集・2199。