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かくありと 兼ねて知りせば せん術も ありなましもの 
かねて知りせば           
                                                       良寛

(かくありと かねてしりせば せんすべも ありなましもの
 かねてしりせば)

意味・・世の中はこのようなものであると、前もって分かって
    いたならば、とるべき方法もあったろうになあ。
    前もってそれが分かっていたなら良かったのに。

   「後悔先に立たず」です。
    すでに終わったことを悔やんでも仕方がない。
    「後悔」しないように「かくありと」考えて行動
    せよ、ということです。    

 注・・かねて=前もって、あらかじめ。
    せん術 (すべ)=なすべき方法。

作者・・良寛=りょうかん。1758~1831。

出典・・谷川敏郎著「良寛全歌集」。