福島県・安達太良山
秋風に 山の木の葉の 移ろへば 人の心も
いかがぞと思ふ
素性法師
(あきかぜに やまのこのはの うつろえば ひとの
こころも いかがぞとおもう)
意味・・秋風が吹けば、山の木の葉は色が変わるものである。
私はそれを見るにつけ、人の心も木の葉と同様に変
るのではないかと不安になってくる。
秋風に吹かれて木々の葉が色を変えて行く。そのよ
うに、あの人の心も変ってゆくのだろうか。最近の
言葉に誠意が感じられない。そう思うと不安になる
ことだ。
注・・秋風=「秋」に「飽き」を掛ける。
木の葉=「言の葉」を掛ける。
作者・・素性法師=そせいほうし。生没年未詳。858年頃左
近将監。三十六歌仙の一人。
出典・・古今和歌集・714。