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春は萌え 夏は緑に 紅の まだらに見ゆる
秋の山かも
             詠み人しらず 

(はるはもえ なつはみどりに くれないの まだらに
 みゆる あきのやまかも)

意味・・春は木々がいっせいに芽吹き、夏は一面の新緑
    だったが、今は紅が濃淡さまざまな模様を描き
    だしている。素晴らしい秋山だ。

    季節による山の色を述べて、秋山を賞賛した歌。

 注・・かも=詠嘆を表す。・・だなあ。

出典・・万葉集・2177。