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枝に漏る 朝日のかげの すくなさに 涼しさふかき
竹の奥かな
                 京極為兼 

(えだにもる あさひのかげの すくなさに すずしさ
 ふかき たけのおくかな)

意味・・竹の枝々から漏れて射す朝日の光。しかし枝の茂
    りにさえぎられる為の、その光の量の少なさ故に、
    かえって日の昇る前よりも涼しさが底深く感じら
    れる、竹林の奥よ。

    朝日の照るなか、ひんやりする竹林を詠んでいます。

作者・・京極為兼=きようごくのためかね。1254~1332。
    正二位権大納言。京極派和歌を興す。

出典・・玉葉和歌集・419。