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折る人の つらさもいはじ 梅の花 咲かぬ宿には
さぞなゆかしき
                 藤原為相
             
(おるひとの つらさもいわじ うめのはな さかぬ
 やどには さぞなゆかしき)

意味・・折る人の思いやりのなさはあえて言うまい。梅の
    花の咲かない宿の人にとっては、さぞ、その花が
    欲しいであろうから。

 注・・つらさ=辛さ。薄情、冷淡。
    な=自分の意思や希望を表す。・・したい。
    ゆかし=欲しい、興味がもたれる。

作者・・藤原為相=1ふじわらのためすけ。1263~1328。
    正二位中納言。

出典・・為相百首・8