魂よ いづくへ行くや 見のこしし うら若き日の
夢に別れて
前田夕暮
(たましいよ いずくえゆくや みのこしし うらわかき
ひの ゆめにわかれて)
意味・・亡き君の魂よ。君の魂はどこに行くのか。見残し
た若い青春時代の夢に別れを告げて。
わが魂と受け取ると、
我がいとしい魂よ。どこに行くのだろうか。夢を
追って追いきれずに、まだ見果てなかった、若々
しい日の、その夢から別れて、さまよう魂よ。
注・・魂=誰の魂なのか、君(若死にした女性)とも我にも
取れる。
作者・・前田夕暮=まえだゆうぐれ。1883~1951。尾上
柴舟門下。
出典・・歌集「収穫」(学灯社「現代短歌評釈」)