行き違ひに なりにしのみと 知るまでに また重ねたる
歳月ありき
大西民子
(ゆきちがいに なりにしのみと しるまでに また
かさねたる さいげつありき)
意味・・ある時にある人と何かがあって悪意とは言わない
までも、いい感情を持たなくなってしまった。そ
れからずっと、よそよそしい状態が続いていたが、
歳月が経ってから誤解だということが他の事から
判明した。この長い間の行き違いよ、この失った
時間はもう戻って来ない。
作者・・大西民子=おおにしたみこ。1924~1994。奈良
女子高等師範学校卒。木俣修に師事。浦和図書館
に勤務。
出典・・歌集「印度の果実」(短歌新聞社「現代秀歌鑑賞」)