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うれしさを つつみかねたる 袂より かなしき露の
などこぼるらむ
                  香川景樹

 

(うれしさを つつみかねたる たもとより かなしき
 つゆの などかこぼるらん)

 

意味・・嬉しさが多くて、包むにも包みきれない袂から、
    悲しい涙がなんだってこぼれるのであろうか。

 

    愛している娘を嫁にやった際の親心です。理屈
    では嬉しがるべきであるが、情としては寂しく
    悲しい気持ちです。

 

作者・・香川景樹=かがわかげき。1768~1843。

 

出典・・河出書房・日本の古典「蕪村・良寛・一茶」。