島廻すと 磯に見し花 風吹きて 波は寄すとも
採らずはやまじ
詠人知らず
(しまみすと いそにみしはな かぜふきて なみは
よすとも とらずはやまじ)
意味・・島を巡って漁をしょうとして磯辺で見つ
けたあの花は、風が吹いて波が打ち寄せ
ようとも、きっと手に入れて見せるぞ。
周囲の反対や困難があっても、好きな人
と結婚したいという気持ちを詠んでいま
す。
注・・島廻(しまみ)す=漁の獲物を求めて島の
周辺をめぐること。
磯に見し花=「磯」は岩の多い海岸。土
地の美女を花にたとえる。
風吹きて・・=比喩的には、周囲に反対
や困難な事情があろうとも、の意を
表わす。
出典・・万葉集・1117。