君をおもふて 岡のべに行きつ 遊ぶおかのべ
何ぞかなしき
蕪村
(きみをおもうて おかのべにゆきつ あそぶ
おかのべ なんぞかなしき)
詞書・・北寿老仙をいたむ。
意味・・あなたのせつない思い出に誘われて、かって
ともに遊んだことのある丘のあたりに行って
見ましたが、悲しさはかえってつのるばかり
でした。
注・・北寿老仙=ほくじゅろうせん。1745年75才で
没す。蕪村の大先輩。
作者・・蕪村=ぶそん。与謝蕪村。1716~1783。
出典・・俳詩「いそのはな」(小学館「近世俳句俳文集」)