忘るなよ 今はの心 かはるとも なれしその夜の
有明の月
藤原家隆
(わするなよ いまわのこころ かわるとも なれし
そのよの ありあけのつき)
意味・・忘れないで下さい。たとえ今は心変わり
していても、慣れ親しんで共に過ごした、
その夜の有明の月を。
有明の月を一緒に見た記憶だけであって
も、つながっていてほしいと願う未練を
詠んでいます。
注・・今はの心=今は心が(変っても)。
なれし=慣れし。親しんだ。
有明の月=夜明け近くまで出ている月。
作者・・藤原家隆=ふじわらのいえたか。1158~
1237。非参議・従二位。新古今和歌集の
撰者の一人。
出典・・新古今和歌集・1279。