ふと思ふ ふるさとにゐて 日毎聴きし 雀の鳴くを
三年聴かざり
石川啄木
(ふとおもう ふるさとにいて ひごとききし すずめの
なくを みとせきかざり)
意味・・ふと思った。自然豊かなふるさとにいた頃には
毎日のように耳にしていた雀の鳴き声だったが、
ふるさとを遠く離れて暮らす今、もう三年もの
間耳にすることがない。
作者・・石川啄木=いしかわたくぼく。1886~1912。
26歳。盛岡尋常中学校中退。与謝野夫妻に師事
するために上京。新聞の校正係などの職につく。
出典・・一握の砂。