世の人の 及ばぬ物は 富士の嶺の 雲居に高き
思ひなりけり
天暦御製
(よのひとの およばぬものは ふじのねの くもいに
たかき おもいなりけり)
意味・・世間の人の私に及ばないものは、富士山のよう
に、空高くそびえて燃える私の恋の思いの火で
ある。
恋の思いでもあり、志でもあります。
注・・雲居=雲のある所、空。
思ひ=恋の思い、志。「ひ」に「火」を掛ける。
作者・・天暦御製=てんりゃくのぎょせい。村上天皇。
926~967。
出典・・拾遺和歌集・891。