歌よみて 罪せられきと 光ある 今の世を見よ
後の千とせに
山川登美子
(うたよみて つみせられきと ひかりある いまの
よをみよ のちのちとせに)
意味・・歌を詠んで罰せられた事実があったと、今の
輝かしい世のことを、千年後の人々は思って
欲しいことだ。
登美子は明治37年に日本女子大学に入学した。
その時に歌集「恋衣」を出版したが学校は喜ば
ず、停学処分にした。この歌は、学校の古めか
しい考え方や自由拘束への抗議で詠まれた歌で
す。「光ある今の世」は、まだ暗い今の世の中
を皮肉った言葉です。
注・・光ある今の世=光のない暗い世の中、という
ことを皮肉った文言。
恋衣=歌人、山川登美子、増田雅子、与謝野晶子
による共著。1904年(明治37年)に出版。
作者・・山川登美子=やまかわとみこ。1879~1909。
30歳。大阪梅花女学校卒。日本女子大学に入
学するが肺結核を患い中退。晶子と共に鉄幹
との恋愛関係にあった。
出典・・歌集「恋衣」。