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かの時に 我がとらざりし 分去の 片への道は
いづこ行きけむ
                       美智子皇后

 

(かのときに わがとらざりし わかされの 
 かたえのみちは いずこゆきけん)

 

意味・・ある時に自らが選択した一つの道があった。
    当然、選択しなかった方の道もあったはず
    で、そのあり得たかも知れないもう一つの
    道は、もしそちらを択んでいたらどのよう
    な方向へ推移していったのだろうか、と思
    い返している。

 

 注・・分去(わかされ)=別れて去って行く道。
    択(えら)んで=よい方をとる。

 

作者・・美智子皇后=みちここうごう。1934~ 。