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人の親の 心は闇に あらねども 子を思ふ道に 
まどひぬるかな 
                     藤原兼輔

 

(ひとのおやの こころはやみに あらねども こを
 おもうみちに まどいぬるかな)

 

意味・・親の心は夜の闇ではないのに、子供の事を思
    う道には、何もかも分からなくなってしまい、

    迷ってしまうことだ。

 

    子供のことについては闇も同然で、盲目に

    なる親心を詠んでいます。

 

 注・・まどひぬる=どうしたらよいか分からなく

     なる。

 

作者・・藤原兼輔=ふじわらかねすけ。875~933。

    従三位・中納言。紫式部は曾孫にあたる。

 

出典・・後撰和歌集・1102。