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小枝ふく 風さえかへる 呉竹の かげはさながら
のこるしら雪
                     日野資枝

 

(さえだふく かぜさえかえる くれたけの かげは
 さながら のこるしらゆき)

 

意味・・小枝に冷え冷えと吹きかける呉竹の陰には、
    降った時のままの状態で白雪が残っている。

 

    竹の枝葉に吹きかかる風の寒々とした様子
    に似つかわしい残雪を詠んでいます。

 

 注・・呉竹=葉が細かく、節の多いはちくの一種。

    さながら=そのまま、もとのまま。

 

作者・・日野資枝=ひのすけき。1737~1801。従

    一位・権大納言。

 

出典・・小学館「近世和歌集」。