1892


鳥の音に のどけき山の 朝あけに 霞の色は
春めきにけり
                       藤原為兼 

 

(とりのねに のどけきやまの あさあけに かすみの
 いろは はるめきにけり)

 

意味・・小鳥の鳴き声ものどかに聞こえて来る山の明
    け方に、たちこめる霞の色はすっかり春らし
    くなったことだ。

 

作者・・藤原為兼=ふじわらのためかね。1254~1331。
    華美な振る舞いに武家の反感を買い佐渡に流
          される。「玉葉和歌集」の撰者。

 

出典・・玉葉和歌集・9。