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 わが宿の 梢ばかりと 見しほどに よもの山辺に

春はきにけり
                  源顕基
 
(わがやどの こずえばかりと みしほどに よもの
 やまべに はるはきにけり)
 
意味・・わが家の梢だけに花が咲いて、春が来ている
    と思っているうちに、あちこちの山のあたり
    に山桜が咲き春が来たことだ。
 
 注・・梢ばかりと=(桜の)木の枝先に(花が咲いて春
     が来た)と。
    よもの山辺=四方の山辺。あちらこちらの山の
     あたり。
 
作者・・源顕基=みなもとのあきもと。1000~1047。
    従三位権中納言。
 
出典・・後拾遺和歌集・106。