昨日こそ 早苗とりしか いつの間に 稲葉そよぎて
秋風の吹く
                  読人知らず

(きのふこそ さなえとりしか いつのまに いなば
 そよぎて あきかぜのふく)

意味・・苗代(なわしろ)の早苗を取って、田植えをした
    のはつい昨日の事だと思ったのに、いつの間に
    稲葉をそよそよと鳴らす秋風が吹くようになった
    のだろう。

    月日の経つことの早いのに驚いたのであるが、下の
    句は初秋の新鮮な田園風景を簡潔にとらえています。

出典・・古今和歌集・172。