いざ子ども 早く大和へ 大友の 御津の浜松 
待ち恋ひぬらむ
                 山上憶良

(いざこども はやくやまとへ おおともの みつの
 はままつ こひぬらむ)

 注・・いざ子ども=目下の者への呼びかけ
    早く大和へ=早く日本へ帰ろう
    大伴の御津=大阪湾難波にある港、遣唐船が発着した

意味・・さあ人々よ、早く日本へ帰ろう。今頃はきっと御津の
    浜松が我々を待ちこがれていることだろう。
    
    山上憶良が遣唐使の随員として中国に滞在した時に、
    故国日本を恋い慕って詠んだもの。
    大きな仕事を成し遂げた安堵感、そしてその宝物を
    早く持ち帰り皆に見せてやりたいという願望が込め
    られている。

作者・・山上憶良=やまのうえのおくら。660~733。遣唐使
     として渡唐。
 
出典・・万葉集・63。