この世をば わが世とぞ思ふ 望月の かけたることも
なしと思へば
            藤原道長(ふじわらのみちなが)
            (小右記・しょうゆうき)

(このよをば わがよとぞおもふ もちづきの かけたる
 ことも なしとおもへば)

意味・・この世の中は自分のためにあると思う。  
    今宵の満月が欠けているところが無いように、
    自分も不満が全く無いことを思うと。

    栄華を極めたわが思いを満月にたとえて率直に
    詠んでいる。

 注・・望月=満月。

作者・・藤原道長=966~1027。摂政太政大臣。藤原氏の
     最盛期を築く。