心あらむ 人にみせばや 津の国の 難波あたりの
春の景色を
           能因法師(のういんほうし)
           (後拾遺和歌集・43)

(こころあらん ひとにみせばや つのくにの なにわ
 あたりの はるのけしきを)

意味・・情趣を理解するような人に見せたいものだ。
    この津の国の難波あたりの素晴しい春の景色を。

    心あらむ(好きな)人の来訪を間接的に促した歌
    です。

 注・・心あらむ=情趣や美を解する心のある人。

作者・・能因法師=988~。俗名橘永愷(ながやす)。中古
     三十六歌仙の一人。26歳で出家。