今回のブログでは、全款補充質疑で質問したうち、災害時の障害のある人、高齢の人への対応について質問した内容をご紹介します。

東京都の被害想定のうち、多摩東部直下地震における練馬区の死者想定は314名のうち241名が避難行動要支援者である。減らすことが課題。福祉避難所への直接支援の検討はどのように進めていくか。

(かとうぎ桜子)

災害時要援護者対策費に関連して伺います。

今回の地域防災計画の改定は、2022年に東京都が示した被害想定の多摩東部直下地震を参考にしていると思いますが、死者の想定、314名のうち241名が避難行動要支援者であるということです。ここを減らす方策を考えていくことが重要だと思いますが、まず今回の計画の中にある福祉避難所への直接避難の検討は具体的にどのように進めていくのかお聞きします。

 

国は日頃利用している施設を福祉避難所とすることを想定しているが、利用施設が必ずしも自宅の近くにあるわけではないので受け入れには課題がある。施設の意見も聞きながら検討していく。

(福祉部管理課長)

今、福祉避難所に関しては、避難行動要支援者が災害時に在宅にとどまることが困難な場合は、まず近くの避難拠点へ避難していただく。

福祉避難所は避難拠点において特別な配慮を必要とする高齢者や障害者がいる場合に、災害対策本部の要請に基づき要支援者を受け入れることになっています。

 

国は、要支援者が日頃から利用している施設を福祉避難所として直接避難することを想定していますけれども、利用施設が必ずしも自宅の近くにあるわけではなく、受け入れ態勢や対象者の調整、それから移送手段など、課題がございます。福祉避難所に指定されている施設の意見も聞きながら、直接被害について検討していきます。

 

例えば一定程度障害・介護の状態の重い人は自宅近くの福祉避難所と出会う機会を作るなど工夫が必要。また、要支援者名簿の現況調査の実施状況は?

(かとうぎ桜子)

今、ご説明がありましたけれども、基本的には避難拠点に行って、そのあと、福祉避難所に行くのが今まで前提だったけれども、ただ、それでは明らかに自分の障害の状態、介護の状態では難しいと思った時に、避難すること自体諦めてしまうことも考えられるので、そういう状況が起こらないように直接避難を想定した仕組みを作ることは必要だと思います。

 

利用している施設に行かれれば、おっしゃるとおりに一番いいと思うのですけれども、送迎を使っていたりだとか、自分で公共交通機関で通っていたりするので、必ずしも自分のおうちの近くに通っているわけではないから、そこに避難するのが難しいことはあると思います。

 

そうするとなかなか具体的なマッチングが難しいところがあると思うのですけれども、例えば一定程度要介護度や障害の状態が重い人で、希望している人は、あらかじめ近隣の福祉避難所とマッチングできるように訓練の時に当事者が参加できる体制を積極的に作るなど、普段から福祉避難所と必要とする人が知り合える工夫をする方法もあるかと思います。

当事者や施設の現場の方の声を聞きながら、工夫していただけたらと思います。

 

次に、名簿について伺います。

2月16日を返送の締め切りとして避難行動要支援者名簿登録者現況調査が送付されていて、その中で個別避難計画に登録する情報の記入欄もあります。まず、送付件数と現在の回収の状況をお聞きします。

 

31982名に送付し、おおむね半数から回答がある状況(2024年3月段階)。

(福祉部管理課長)

こちらの調査は、31,982名の方に送付致しまして、おおむね半数の方から回答がある状況です。

 

半数の回答がない人への働きかけは。また、周知をはかるにあたって福祉事業所との連携は

(かとうぎ桜子)

半数の回答ということで、今のところまだ回答がない方も多いようですけれども、今後、その方々に対してどのような対応をする予定なのかをお聞きしたいのが一点。

それから、名簿に登録している人については、

・介護保険の要介護3以上

・身体障害1、2級

・愛の手帳1~4度

・精神障害1級

の方ということで、多くの方が何らかの保健福祉サービスを利用していると考えられますけれども、福祉事業所や訪問介護などの事業所から対象となる方への名簿と個別避難計画の登録のお知らせの協力をしていただくことは考えているのかお聞きします。

 

担当のケアマネジャーや相談支援専門員からの声掛けによる啓発を進めたい。

(福祉部管理課長)

2月16日で一旦調査の締め切りは致しましたが、今後も個別避難計画の作成について呼びかけて参りたいと考えています。

具体的にはホームページなどでの周知や電話、勧奨通知などによる個別の作成、勧奨、それから事業者の協力を仰ぐという意味では、担当のケアマネージャーや相談支援専門員からの直接の声かけにより、個別避難計画の作成の必要性を啓発してまいりたいと考えています。

 

回収後の情報の整理・管理はどのように行うか。また、災害時の安否確認後の報告体制は。

(かとうぎ桜子)

それから、回収後の情報の整理や保管など、管理はどのような流れで進めるのかということが一点。

あと、避難支援者として登録される方が、避難の完了後、あるいは安全が確認出来た段階で報告を求めるなどをするのかという仕組みについて伺います。

 

要支援者本人、避難支援者、作成支援者、区で共有し、避難拠点では鍵のかかる場所で保管。同意があった人についてはその他の関係機関とも共有。安否確認は専用回答フォームを1月から運用しているため、その活用を呼び掛ける。

(福祉部管理課長)

まず、個別避難計画作成後の情報の整理保管、活用についてですけれども、災害時にどこへ誰と避難するかをあらかじめ定めておく意味で、個別避難計画を作成しておりますので、避難行動要支援者本人、それから避難支援者、作成支援者を区で共有しまして、災害時に円滑に避難ができるよう備えるところです。

 

個別避難計画の情報を記載しました避難行動要支援者名簿については、避難拠点の鍵のかかる場所に保管し、災害時には避難拠点に集まった民生・児童委員や区民防災組織、それから元気避難者等でチームを組んで名簿を用いて安否確認をおこないます。

 

また、外部提供の同意があった方の名簿については、民生・児童委員、区民防災組織、地域包括支援センター、消防機関、警察機関に提供し、平時からの備えとして日頃の訪問活動など、顔の見える関係づくりを行うことに用います。

 

また、避難支援者に安否確認や避難支援の結果の報告を求めるかにつきましては、協力をお願いしてまいります。要支援者本人や避難支援者から要支援者の安否を国報告できる安否確認専用回答フォームを1月から運用開始しており、そちらの活用も呼びかけてまいります。

 

福祉事業所が作成する義務のあるBCPとの連動や、福祉従事者に対する災害対策全般の研修が必要では。

(かとうぎ桜子)

福祉事務所は介護でも障害でも2023年度中にBCPの作成が求められています。

一方で、事業所のスタッフが個別避難計画の避難支援者となる場合もあると思いますし、災害時にその事業所内でとどまっている方が安全と判断する場合がもあると思いますので、事業所として安否確認の連絡を行政に対してすることもBCP の中で位置づけるなど、事業所の災害対策と要支援者対策の連携が必要ではないかと思いますが、その点伺いたいです。

 

また、福祉従事者への研修として、BCP のことだけにとどまらず、要支援者への災害時の支援策全般を知ることができる機会を設けるなど、工夫が必要かと思いますけれども、その点について見解をお聞きします。

 

事業者連絡協議会と災害時の協定を結んでいるため、それに基づき情報共有を行って対応の構築をしてきた。今後の周知もきめ細かに実施する。

(福祉部管理課長)

区は、練馬区介護サービス事業者連絡協議会や障害者福祉サービス事業者連絡協議会と災害時における介護、障害福祉サービスの利用者に対する支援に関する協定を締結しています。この協定に基づき、事業者団体と連絡会などで災害対策に関する情報共有を行い、未利用者の安否確認訓練やBCP に関する訓練を実施し、災害時の対応を構築してまいりました。

 

区の避難行動要支援者対策については、ホームページなどですでに広く周知しているところですけれども、今後も介護サービス事業者向けのホームページやメーリングリストなどを活用して、きめ細かに周知してまいります。

 

(かとうぎ桜子)

要支援者の方と普段関わりのある方がしっかり連携をしながら、災害時の安全確保につながる工夫をさらに進めていただければと思います。