予算特別委員会では、保健福祉費の時にも質問をしました。

今回は少し長くなりますが、生活困窮者支援について、今は変わり目のとても大事な時だと考え、質疑をしましたので、いっぺんにご紹介します。

 

来年度、生活困窮者支援の体制充実はどのように行うのか?

(かとうぎ桜子)

生活困窮者自立支援事業経費について伺います。

2023年度予算の記者発表資料の中に、「物価上昇や生活福祉資金特例貸付の償還開始等の影響で増加が見込まれる生活困窮者の生活相談に対応するため、相談支援体制を充実します。」とありますが、体制の充実内容をまず伺います。

 

2021年度、2022年度にも増員した生活サポートセンターの相談支援員を来年度さらに1名増員する。

(生活福祉課長)

区は、コロナ禍において、急増する生活困者の生活相談に迅速かつ適切に対応できるように、生活サポートセンターの相談支援員を令和3(2021)年度に3名、令和4(2022)年度に1名増員し、13名体制としました。

今後、今、委員がおっしゃっていただいたとおり福祉資金の特例貸付の償還開始などに伴いまして、さらなる増加が見込まれるため、生活サポートセンターの生活相談員をさらに1名増員し、14名体制とするものです。

 

特例貸付の返済は1月から始まったが、返済の免除対象が狭く今後の課題も多い。今の返済手続きの状況は?

(かとうぎ桜子)

特例貸付は昨年9月で終了して、この1月から償還、返済が始まりました。

この貸付は2020年3月に始まって、その当初、「返済時にも生活に困っていれば免除がある」と言われていましたが、免除の対象が狭くて自己破産をする人が増えているという話もありますし、免除の対象にならなくても困窮されている人はどうしたらいいのか、課題が多いと感じています。

そこで、まず、練馬区民の皆さんの特例貸付の返済手続の状況や御相談の状況を伺います。

 

都全体や区社協での申し込み状況を踏まえると、約1万世帯ほどが貸付を受けていると想定される。その3分の2に対してすでにご案内を送付し、免除・猶予が決定した世帯は約2千世帯。区社協ではピーク時には1日20件ほどの問い合わせを受けたと聞いている。

(生活福祉課長)

この事業は、都の社会福祉協議会が実施主体になりますので、練馬区における詳細の状況は、なかなか区では把握が難しいところです。

都全体の状況、あるいは区社会福祉協議会での申込み状況を踏まえますと、本区において、緊急小口資金と総合支援資金を借りた世帯は約1万世帯ほどいると想定されます。

これまでに約3分の2の約6700世帯の方に対して、免除や猶予、あるいは返還のご案内を送付し、その申請を受けて、免除、あるいは猶予すると決定した世帯は約2千世帯と推察してございます。

また、相談の状況ですが、区の社会福祉協議会においては、ピーク時に一日20件ほどの問合せを受けたと聞いています。内容は、申請書類の書き方、あるいは返済に関することが多く、窓口にお越しいただいて書き方支援をする他、必要に応じ生活サポートセンターの支援などにつないでいます。

 

返済のお知らせを送っても読んでいない人がいるのではないかという指摘がある。こうした課題にはどのように対応をしているのか。

(かとうぎ桜子)

全国社会福祉協議会は、この1月にコロナ特例貸付から見える生活困窮者支援のあり方に関する研究会の報告書をまとめています。

その中では、特例貸付で見えた課題や今後に向け取り組むべきことが指摘されています。

その内容に基づいていくつか質問したいと思います。

報告書の中で、返済に関するお知らせに対し、免除の申請や返済手続に関する返送がない人の中には、そもそも案内の封筒を開けていない人、書類を読んでいない人が一定程度いることを危惧している、とあって、手続の支援の必要性も言われています。

区としては、そうした課題をどう認識されているか。また、このような状況にある方へのご案内や支援の工夫が必要だと思いますが、どのように対応しているか伺います。

 

区社協が貸付の窓口であったため、お問い合わせをいただければ対応をしている。案内にはQRコードなど掲載して相談につながる工夫がされている。専用のコールセンターもある。

(生活福祉課長)

まず、今お話にありました、この封筒が来てどうしたらいいか分からない方については、先ほども答弁しましたとおり、もともと窓口が区の社会福祉協議会でありましたことから、区社会福祉協議会にお問合せをいただき、必要な支援を行っています。

また、実施主体である都の社会福祉協議会は、この借受世帯に対して送付している案内文の中にQRコード、あるいはURLを掲載しています。そこを通じて各自治体の自立相談支援機関、すなわち、練馬区で言いますと生活サポートセンターにつながるような工夫もしております。

併せて、本事業については返済に関する専用のコールセンターも設置しています。

そちらでは返済の免除などについての案内もしているといった工夫をしながら事務を進めています。

 

貸付を受けるときにも書類の書き方が分からない方もいらっしゃったり、年代、職業なども多様な人が受けていたといわれている。そこで、食糧支援など生活全般の支援を新規・拡充で実施したところもある。練馬区ではどうか。

(かとうぎ桜子)

そもそも貸付を受ける段階から書類の書き方が分からない方がいらっしゃったという話もあります。年代も、今までやってきたお仕事も本当に多様な方が受けていらっしゃって、これからもいろいろな支援が必要になってくると思います。

貸付を通じて、そういった様々な生活に関わる課題も見えてくる中で、社会福祉協議会として食料支援や生活用品の支援、住まいの支援など、生活全般の支援を新たに取り組んだり拡充したところも多いようです。

練馬区の社会福祉協議会の取組としてはどうだったか、また、区として社会福祉協議会への支援の方針をどう考えているかお聞きします。

 

区として職員を派遣、増員するなど支援体制の強化に努めてきた。また、生活相談コールセンターを設置。

(生活福祉課長)

先ほどもご答弁しましたが、まず、コロナ禍で急増した生活困窮者の生活相談に迅速かつ適切に対応するために生活サポートセンターの相談支援員をコロナ前と比べて増員したところがございます。

また、区としても社会福祉協議会へ4名職員を派遣する他、住居確保給付金は支給審査業務に7名の職員を増員するなど、支援体制の強化に努めてまいりました。

また、速やかに支援につながるように令和2年4月には生活相談コールセンターを設置し、区と社会福祉協議会が一体となって、特例貸付や住居確保給付金の案内、あるいは郵送の申込みの受け付けなどを行ってきています。

 

相談の職員体制を整える対応が中心だったと思うが、生活支援の事業充実で相談しやすい場づくりを進めてほしい。とても困窮していても生活保護は受けたくないとして貸付の相談に来た方もいたという。そういう場合区としてはどのような対応をしているか?

(かとうぎ桜子)

職員体制を主に対応されてきたというご説明かと思います。

全国的に見ると、貸付の制度が短期間で延長を繰り返してきたので、社会福祉協議会として、長期的な視点に立って正規職員を雇用することがなかなか難しかったこともあって、苦労した社会福祉協議会も多いようです。特に、非正規で対応せざるを得なくて、そこですごく困難な対応を求められてやめてしまう人も多かったという課題も指摘されています。

今後、返済も長期間にわたりますので、生活困窮者支援に携わる方の安定的な処遇が課題であると思います。今まで対応してこられたということですけれども、今後もしっかり対応していただきたいと思います。

どこの自治体でも、まずは、貸付への対応だけでも、件数も多かったし大変だったので、それ以外の課題があってもなかなか対応し切れないところもあったようにも聞きます。

 

これから先、職員体制を充実させて、相談を受ける体制はもちろんですけれども、生活支援と相談の場づくりについて、今後、社会福祉協議会と連携しながら、区としてもさらに積極的に進めていただきたいと思います。

特例貸付では、生活に困っていても生活保護の対象にはならない人だとか、あるいは、状況的には生活保護の対象になるし、まずは保護を受けて生活を立て直すことがベストだと思われる状態にあっても、ご本人が生活保護だけは受けたくないと言われることも多くて、そうした方が貸付の窓口に来られていた状況もあると指摘されています。

私もご相談を受けていると、そのようにすごく困っている状況にあっても生活保護は受けたくないとおっしゃる方は多くいらっしゃると感じます。

練馬区では、そのような状況にある方への支援はどのように対応されているかお聞きします。

 

生活サポートセンターから生活保護の支援につなげている方は、2020年度43名、2021年度88名、2022年12月までで133名。福祉事務所への同行をして申請の支援をしている。

(生活福祉課長)

生活困窮者の相談窓ロであります生活サポートセンターの相談者の中には、住居確保給付金などの支援が終了した後も、なかなか状況が改善せずに生活保護の支援が必要な方がいらっしゃいます。

生活サポートセンターでは、令和2(2020)年度は43名、令和3(2021)年度は88名、令和4年(2022)年12月末時点で133名の方を生活保護の支援につないでおります。

その際には、その方の状況をよく聞き取った上で、福祉事務所への同行による申請の支援を複数回行って支援につなげている事例が多くございます。

 

生活困窮状態にある人の支援制度の充実を国にも求めてほしい。

(かとうぎ桜子)

これからもしっかり対応していただきたいと思います。

先ほど紹介した全国社会福祉協議会の報告書の中でも、生活保護について、入りやすく出やすい制度にしていくこと、また、生活福祉資金についても使いやすいシステムにしていくべきという指摘もありました。

区としても、生活困窮の状態にある当事者にとって利用しやすい支援の充実を国に対しても求めていただきたいと申し上げて、次の質問に移ります。