これから後は、実際に質問した順番にご紹介していきます。

今回は、生活困窮者支援について。

 

-------------

(かとうぎ桜子)

コロナ禍の影響が長期化しています。

国はこの夏、行動制限をしないという方法を取りましたが、感染者数は過去最多、身近に感染者、濃厚接触者がいる状態になりました。行動制限をしなくても、感染拡大とともに飲食店などは利用する人が減少し、補償もないため苦労をしているというお話もお聞きします。感染拡大した時にこのような方法をとることが適切なのか、見通しはまだ立たない状況にあります。

また、物価の上昇は、特に子育て世帯や生活困窮世帯を苦しめています。

このような状況の中で、練馬区として区民の生活支援をどのように行うのか、区の施策は何を優先的に実施すべきなのか、という観点で質問をします。

 

まず、生活困窮者支援について伺います。

 

貸付による支援だけでは不十分であることは、全国社会福祉協議会からも指摘されている。

コロナ禍における生活困窮者支援は、生活福祉資金の特例貸付をはじめとする貸付制度が中心となっています。コロナ禍が長期化する中での支援策は貸付では不十分です。貸付はいずれ返さなくてはならず、生活困窮が長期化している人にとっては、課題を先送りするだけだからです。貸付を借り終えた人には生活困窮者自立支援金という給付制度もありますが、要件が厳しく、対象にならない人も多いのです。

今年7月、全国社会福祉協議会から出された要望では、「特例貸付は緊急時の対応としての役割が薄れており窓口に寄せられるニーズも変化していることから、貸付の受付を終了させる」こと、「物価高騰対策を貸付の期間延長によって対応するのは適切ではなく臨時的な給付等で対応すべき」こと、「生活困窮者支援の中核を担う相談体制の充実を図ることが必要である」ということが指摘されています。

 

練馬区でも貸付から給付につながった人は2110世帯しかいない。それ以外の人は十分に生活を立て直せているのか、実態把握を。また国に制度改善を要望すべき。

昨年度、練馬区で特例貸付を借り終えた約4千世帯のうち、生活困窮者自立支援金の対象になったのは2110世帯とのことです。特例貸付を受けていながら生活困窮者自立支援金の対象にならなかった方々は果たして、生活の立て直しが十分にできていると言えるのでしょうか。区として、その生活実態の把握を進め、必要に応じて支援につなげるべきと考えますが、現状と今後の見解をお聞きします。

特例貸付や生活困窮者自立支援金といったコロナ禍における国の対策について、区は、制度発足当初よりも要件緩和されるなど改善してきているという見解を示してきました。しかし、貸付が中心で給付の間口が狭い、相談件数が急増しているのに対して十分に相談対応をする体制を取れない、という根本的な制度的課題について、国に抜本的な改善を求めるべきです。区としての見解を改めてお聞きします。

 

フードバンクを実施して相談を併設させるなど、相談しやすい支援体制を作る必要がある。

相談窓口を用意するだけでは、相談しづらい方もいます。気軽に訪ねられる場があり、そこで相談も受けられるような工夫が必要ですが、例えばフードバンクなどのとりくみを区が実施し、食糧や生理用品などの生活必需品の配布を行う機会を設けて、そこで相談もできるといった、相談しやすい支援体制を作るべきではないかと考えますが、区の見解をお聞きします。

 

生活保護費の引き上げを国に求めるべき。

生活保護については、2013年から行われた生活保護費の引き下げの撤回を求める訴訟が全国で起こされており、その主張を認める判決が出ています。

現在の生活保護費は必要最低限の日常生活を送るだけでも精いっぱいの基準であり、趣味や友人との交流など社会的なつながりを継続するのには不十分で、健康で文化的な最低限度の生活を保障するものとはいえません。さらに、コロナ禍でマスクや消毒用アルコールなど衛生用品が必要になったり、物価上昇により食材や消耗品にも今までより費用がかかるなど、生活に必要最低限のものを買うだけでも以前よりお金がかかるようになっています。改めて、少なくとも一連の引き下げ以前の生活保護基準に戻すよう国に求めるべきです。区の見解を伺います。

 

【答弁:福祉部長】

初めに生活困窮者自立支援金についてです。

 

コールセンターで支援機関につないでいる。国にも要望をしている。

本制度は、総合支援資金特例貸付の再貸付を終了した世帯等に対し、就労による自立を図るため、またそれが困難な場合には、円滑に生活保護の受給へつなぐために給付金を支給するものです。

特例貸付を終了した世帯に対して、専用のコールセンターでは、自立支援金の申請に向けた手続き案内に加え、生活状況などを伺い、総合福祉事務所や生活サポートセンターなどの支援機関につないでいます。

引き続き、こうした取り組みを通じ、生活にお困りの方を必要な支援につなげてまいります。

区は、増加する生活困窮者に対する支援を適切に実施できるよう、特別区長会等を通じ、十分な財政措置や制度改正を行うよう、すでに国に要望しています 。

 

福祉事務所で食品の提供などは行っている。

次に、相談支援体制についてです。

増加する生活困窮者の生活相談に迅速かつ適切に対応するため、生活サポートセンターの相談支援員を増員するなど、充実しています。生活サポートセンターや総合福祉事務所では、生理用品の配布や食品の提供をしています。その際に、就労や生活状況について伺い、必要に応じて、住居確保給付金や特例貸付などの支援につなげています。

国は、コロナ禍における物価高騰などに直面し生活に困っている方々を支援するため、本年度、生活保護受給者を含めた住民税非課税世帯に対し、臨時特別給付金を支給しています。 さらに、先週、電力・ガス・食品等価格高騰緊急支援金を支給することを決定しました。

 

生活保護は、国が令和5年度の見直しに向け、検証をしている。

生活保護制度について、区は、大都市の実態に即した生活保護基準を設定するよう、特別区長会等を通じ、すでに国に要望しています。国は、生活扶助基準額について、令和5年度の見直しに向け、新型コロナウイルス感染症が低所得層に与えた影響などについて検証を行っています。

 

--------------

福祉事務所で行っている生理用品や食品の配布はどれだけ敷居が低いのかという問題があると思います。開かれた場があって、行きやすく、そして行ったついでに相談できる、という工夫が必要だと思います。要望はどんな形でしているのか、確認してまたご報告したいと思います。