障害のある人を対象とした施策についてもいくつか質問しました。今回は就労継続支援B型事業について。

前提となる課題についてはこちらのブログに書いています。(福祉について特化して、分かりやすく書くブログを作ろうとして、ほとんどこの記事だけで挫折しているのですが💦)

 

就労継続支援B型のことはこの続きを決算の質疑でも質問したのですが、まずは一般質問の内容のご紹介。

 

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(かとうぎ桜子)

就労継続支援B型事業所について伺います。

今年度の報酬改定で、就労継続支援B型事業所は、平均工賃をもとに事業所の報酬が決まる従来の報酬体系と、就労・生産活動への参加を基準とした新しい報酬体系に分かれました。

精神障害があったり障害が重くて、毎日は通所できなかったり欠席することがある利用者を受け入れている事業所は、就労支援のみならず生活支援もしています。一方で平均工賃は、1か月の中での利用日数や時間の長さにかかわらず工賃支払い対象者の数で計算するため、実際の働きに応じた支払額とは違ってきます。そのため、短時間利用や欠席がある利用者の多い事業所では平均工賃が実態の工賃より低くなるという制度的な課題もあります。そうしたことから、こうした事業所は従来の報酬体系ではその支援内容が適正に評価されないという課題が指摘されてきました。そういう中で新しい体系ができたことは望ましいことだと思います。

 

しかし、課題も残されています。それは、新体系の場合の報酬単価が、従来の報酬単価の中で一番低いものよりもさらに低いことです。今まで工賃重視ではない報酬体系を求めてきた事業所でも、新体系に移行することにためらいを感じることもあるのではないかと思います。そこでいくつかお聞きします。

 

①練馬区内では、従来体系と新体系、それぞれの選択を取った事業所がいくつずつあるのか?

まず、練馬区内の就労継続支援B型事業所での従来体系と新体系、それぞれの事業所数をお聞きします。

 

②地域協働加算の基準は?

また、新報酬体系には地域協働加算とピアサポート加算というものが作られました。基本報酬が低い分、加算が取れるかどうかは重要ですが、地域協働加算はどのような活動をした場合につけられるものか、基準をお示しください。

 

③ピアサポート加算の研修実施状況は?

また、ピアサポート加算はピアサポート研修を受けることが実施の前提となりますが、研修の実施状況についてお聞きします。

 

④就労継続支援B型事業所の報酬体系の見直しについて国に意見を

また、区として国に対し、平均工賃の計算方法について実態に合わせた見直しを求めていただきたいと考えますが、見解をお聞きします。

 

【回答】

(福祉部長)

福祉的就労には障害特性や個々の能力に応じた多様な働き方のできる場が必要です。

本年4月の報酬改定では工賃向上とともに、多様な就労ニーズに対応するため、従来の平均工賃月額に応じて評価する体系に加え、新たに利用者の地域活動等への参加支援などについて評価するしくみが導入されました。

 

①35事業所のうち、新報酬体系に移行した事業所は2か所。

本年4月現在、従来の報酬体系による事業所は35か所、新しい報酬体系による事業所は2か所となっています。

 

②地域協働加算は地域住民と協働した取り組みを実施し公表した場合につけられる。

新しい報酬体系では、地域協働加算として生産活動の実施にあたり、地域住民と協働した取り組みを実施し、その活動内容をインターネット等で公表した場合に評価を行います。

 

③ピアサポート実施加算の前提となる研修は現在実施されていない。

また、ピアサポート実施加算は、都道府県が実施する障害者ピアサポート加算研修を修了した職員が利用者支援を行うことを評価するものですが、現時点では都の研修は実施されておりません。

 

④工賃向上のための支援。国に対して工賃向上の計算について要望する考えはない。

工賃向上については利用者が適正に応じて能力を発揮し、働いた対価が適正に応じて能力を発揮し、働いた対価が実感できるよう、区は経営コンサルタントの派遣事業や請負業務の共同受注の実施を障害者計画に位置付け、販路の拡大や商品開発力の強化、受注増を図ります。これにより工賃向上と就労意欲の喚起につなげていきます。現時点で国に対し平均工賃の計算方法の見直しを要望する考えはありません。

新しい報酬体系を希望する事業所に対して、引き続き加算の動向などの情報を提供し、個別の相談に対応してまいります。