10月16日の議会定例会最終日に、2019年度決算について討論した内容です。

 

市民ふくしフォーラムとして、2019年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計および後期高齢者医療会計の決算の認定に反対の討論をします。

 

まず、今回の決算における後期高齢者医療会計の不適切な会計処理は、非常に初歩的なミスです。関わっていた職員個々の問題として済ませることなく、こうした初歩的ミスへのチェック体制が働いていない組織の現状と課題を十分に検証し、再発防止のためのしくみづくりを進めるよう強く求めます。

 

現在、新型コロナウイルスの感染防止対策が必要な状況の中で、社会のありようが変わろうとしています。感染防止の工夫をしつつも地域社会で孤立する人が出ないよう、今まで培ってきた地域のつながりが途切れてしまうことのないよう、身近な自治体である区として、区民が日々を幸せに心豊かに過ごすことができるような支援がより一層必要となります。

 

区に寄せられる生活保護やDVに関する相談は、今のところ例年と比べ数としては増えていないということですが、コロナ禍におけるストレスは私たちの生活や心に迫っており、その課題は潜在化していてまだ表れていないと考えられます。

一方で婦人保護事業や生活保護事業は古くからの制度の枠組みの中で実施されており、当事者を主体とした支援としては不十分な点が多いと考えます。

例えば女性を保護するシェルターは、携帯電話の使用禁止や外出の制限など、一定の行動制限があるため、当事者がそうした制約を拒めば支援から外れてしまうおそれがあります。シェルターの制約を我慢できなければひとり孤独に苦しみ耐えるしかないような支援制度ではあまりに脆弱です。

今こそ、困っている人の視点に立って使いやすい、当事者に寄り添った支援のあり方を検証すべきです。

 

コロナ禍において、様々な活動を止めざるを得ない時期が続きました。

こどもや高齢者が集い、相談もできる場や、地域で福祉を支える支援者の養成、バリアフリーの推進など、止めることで生活全般に大きな支障を来すものがあることを改めて考えさせられます。今後極力こうした活動を止めずに済むようノウハウの蓄積と検証を進めるよう求めます。

 

また来年は介護保険の報酬、障害者制度の報酬改定の時期です。介護保険は高齢者人口が増える中、給付の抑制に動いていますが、身近な区としては高齢期の生活が豊かで安心できるものになるようにしていく必要があります。ケアプラン点検をはじめ、当事者主体の支援の充実、そのための人材育成をしっかり進めていかなければなりません。

こんな時だからこそ、すべての人が取り残されない地域社会の実現を強く求めて討論とします。