コロナウイルスで外出を控える毎日が続きましたが、介護サービスの利用も控える傾向にあります。でもそうすると、体力の衰えや孤立が懸念されます。まだ終息が見通せない中、今後も含めてどのような対応をしていくかということで質問しました。

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(かとうぎ桜子)

コロナ禍での介護保険について伺います。

ホームページで公表されている練馬区の月別の介護保険状況報告で認知症対応型通所介護、地域密着型通所介護、通所介護、通所リハビリ、総合事業の通所型サービスといった通所サービスを合計して、1月利用分と5月利用分を比較すると、1月は1万3178件だったものが5月には9562件と3616件の利用減少が見られます。

また、訪問リハビリは586件から473件で113件の減少、短期入所は1443件から986件で457件減少している一方で、福祉用具貸与の利用は増加しています。

また、サービスの利用を減らしているのは特に要支援から要介護2までに多く見られます。

このような数値から、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策としてできるだけ外に出るサービスの利用を減らし、家で過ごすために今までよりも福祉用具を活用しているという姿が見えてきます。

また、その傾向は特に要介護度が低いほど顕著です。

通所サービスやリハビリの利用控えにより身体を動かす機会が減ったり、家族以外の人と会って会話するという機会が減ることによって、ADLの低下や要介護度の重度化が懸念されます。

介護サービスは利用せず、はつらつセンターなどを活用して活動している比較的お元気な高齢者に対しても同様の懸念があります。コロナ対策を要する中での高齢者の社会活動の低下の状況について区はどのように捉えているか、またこれに対してどのような対策をしてきたかを伺います。

新型コロナウイルス対策として、通所サービスの利用を自粛している利用者に家庭訪問や電話での支援をすると一定の報酬が出るという特例が認められましたが、利用状況の数値を見るとそうした支援も十分に機能していなかったのではないかとも懸念されます。

また、訪問介護の利用も減少しており、通所サービスを利用しない代わりに訪問サービスを利用するという代替手段の確保もできてないように推測されます。

より積極的に、通所利用を控えている人に対する代替支援の提供を考えていくべきではないでしょうか。6月の補正予算の質疑の際に、実態調査を行うという答弁がありましたが、その後の状況を伺います。

また、新型コロナウイルスはいまだ終息が見通せず、今後冬が来ればインフルエンザと相まって状況が深刻化することも想定した対策が必要と考えます。

今後の状況を見据え、介護保険サービスや総合事業を利用する高齢者のADL、QOLの低下を防ぐための積極的な取り組みを進めるべきです。たとえば、障害者サービスの放課後等デイサービスでおこなった助成と同様に、利用者負担の助成を行うことで、支援から途切れてしまうケースを抑える必要もあるのではないかと考えますが、区の考えをお聞きします。

 

(高齢者施策担当部長)

新型コロナウィルス感染症が高齢者に与えた影響についてです。

外出機会の減少は、高齢者の身体機能等の低下を招くおそれがあることから、身近な地域や、自宅で介護予防に取り組めるよう支援していくことが重要です。区は、地域包括支援センター職員による自宅訪問や電話での声掛けを行い、食事の確保や自宅でできる運動のアドバイスを行いました。

緊急事態宣言解除後、街かどケアカフェ、はつらつセンターなどの高齢者施設のすべてを再開しました。いきがいデイサービスなどの介護予防事業も順次再開しており、利用者は徐々に増えています。

 

次に、要介護高齢者等への影響に関する実態調査についてです。

7月にケアマネジャーに行った調査では、要介護者、要支援者ともに日常生活動作の低下が「ややある」との回答が多い状況です。コロナ禍が長期化することを見据え、現在通所サービス利用者の利用状況、心身の状態等を引き続き調査しています。

調査結果を検証し、第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画において、対応してまいります。