3月13日の定例会最終日の本会議でおこなった討論の内容のご紹介です。

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市民ふくしフォーラムとして、2020年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計予算に反対の立場で討論をします。

 

この3月で東日本大震災から9年が経つ今、私たちの社会は新型コロナウイルスへの対応に悩まされています。

災害時や非常時には、高齢の人や障害のある人、子育て中の人など、ふだんから生活にサポートを要する人ほど、大きな困難に直面してしまいます。ふだんは潜在化しがちな課題が非常時に噴出するといっても良いかもしれません。

 

障害のある人が自分らしい豊かな生活を送ることのできる地域社会を実現することが、非常時にも互いが支え合える強い社会につながっていくのではないかということを、今、改めて感じます。

 

そうした観点から、今回の予算の審査を通じ、改善すべきと考えた点を指摘したいと思います。

まず、障害のある子の教育のことを、もっと多くの人に知っていただく工夫が必要だということです。

予算の質疑の中で、教育だよりに特別支援教育に関する情報が少ないということを指摘しました。これは、障害のある子とその家庭への情報提供という課題であるだけではなく、区教育委員会としてのインクルーシブ教育に対する姿勢を示すものといえます。障害のある子もない子も地域で見守られ、健やかに育つことのできる社会をめざすために、障害のある子の教育についても、もっと積極的な情報発信をすべきです。

 

また、今回コロナウイルスへの対応として突然実施された学校の休校は、保護者が就労している家庭、障害のある子の家庭に大きな不安と負担を強いるものでした。

非常時の学校、学童クラブ、また放課後等デイサービスをはじめとする福祉サービスのあり方について、今回の状況を検証して、今後の危機管理に活かされるように取り組んでいただきたいと思います。

 

今回の予算特別委員会では、防災、環境、観光、という、福祉の所管ではない取り組みの中の障害者に関わる施策についても質問しました。これらの施策は、「障害のある人が安全に地域で暮らせるように配慮し支援する」という観点が必要なことはもちろんで、そのことは区としても認識していると思いますが、さらにそこから考えを発展させ、「障害のある人は地域で共に暮らす仲間である」ということや「障害のある人が主体的に地域の活動に参画する」という観点でのとりくみができているかといえば、それはいまだ不十分です。

ユニバーサルデザインの社会を実現する取り組みは、全庁あげての取り組みにしていただきたいと思います。

 

どんな課題が生じたときにも、すべての人が支え合える温かく強い地域社会を実現するための施策の充実を求め、討論とします。