ながらくかかってしまった一般質問の内容のご紹介ですが、ようやく最後です。

 

妊娠、出産には、色々な状況が起こります。

例えば、「コウノドリ」のお話を思いだすだけでも、妊娠・出産にいたる女性の置かれた環境は様々な状況が考えられると想像できると思います。たとえばこの話のように、産んだ人と育てる人が別の人になるということがあったり、こちらのように出産の際に母子の命が危険な状況になる場合など。

 

具体的なことは書けませんが、私のところにもそうした状況にある方からの相談が来ることがあります。

その中で、「妊娠、出産を経て、赤ちゃんが無事生まれ、お母さんが育てる」という一般的に想定される状況とは違う環境になった場合の、女性への心身のケアはとても不十分ではないかということに気づきました。

内容は以下に書いてある通りです。赤ちゃんが今いない状態になっている女性へのケアは、本人が必要性を発信しない限り、途切れてしまいます。私は実際にあるご相談の中で、「この方に対する保健相談所の関わりは、ここで終わりなんです。」と言われたことがあるのです。具体的なことは書けないので分かりづらいと思いますが。

 

答弁にあるように「必要な方に対しての支援はしている」ということ。それは本人が「必要だ」と発信することが前提です。でも赤ちゃんを失う、赤ちゃんと別れるという経験をされた方が必ずしも自ら「心身のケアが必要だ」と発信はできないのではないか。

人知れず心身に不調や孤立を抱えている方もいるのではないか。なんとかできないものかと思います。今あるしくみの中で、現場レベルでできることに限界があるのは仕方ないとも思うので、もっと政策レベルで、女性の健康に焦点をあてた取り組みが必要ではないかと。

 

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(かとうぎ桜子)

最後に、出産後の女性への支援について伺います。

流産や死産、中絶、あるいは出産後すぐに養子に出すなど、様々な事情で、お腹の中に一定期間赤ちゃんがいたものの、出産後にお母さんのところに赤ちゃんがいない状態が発生する場合があります。赤ちゃんがいない状態であっても、母体にとっては、お腹が痛かったり、胸が張ったり、という体調の変化が起こると聞きます。そうした体調やホルモンバランスの変化に伴い、メンタルケアが必要な部分もあると考えられます。

しかし、練馬区が実施している産後ケアや保健相談所によるケアは、赤ちゃんがいることが前提になっており、母体だけのケアは行なわれていません。妊娠を経験した女性の心身の負担を考えると、赤ちゃんの有無にかかわらず、女性の心身のケアをできる体制を作るべきではないかと考えますが、区の方針をお聞きします。

 

(健康部長)

産後の女性支援についてです。

現在、保健相談所では、どのような妊娠・出産を経た方であっても、保健師が母体のケアを必要とする方の相談に応じています。また、不妊治療をしている方などに関する相談についても幅広く応じており、「赤ちゃんがいることが前提」とはしていません。

特に、死産や流産などでお子さまを亡くす経験をされたご家族には、こころのケアが重要なことから、保健師や助産師が個別の状況に応じて丁寧に対応しています。必要な場合には、悲しみに寄り添い傾聴などを行うグリーフ・カウンセリングを紹介しています。

今後も、必要な方には、心身双方のご相談を受け、産後を含めた女性の支援を行ってまいります。