一般質問で取り上げた、バリアフリーについて第2弾です。
バリアフリーの中でも特に視覚障害者関係と、区のバリアフリー施策について。ちょっと長くなりますが、分けるのが難しかったので、まとめてご紹介します。
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(かとうぎ桜子)
次に視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点字ブロックに関する施策について伺います。
点字ブロックは、視覚障害のある人の安全な移動をサポートするためのものですが、その上に放置自転車や店の看板などが置かれてしまい、視覚障害のある人がぶつかってしまうという問題があります。また、ブロックの真上だけではなく、その周辺も一定の空間をあけておかなければ、歩行する視覚障害のある人の体が物にぶつかってしまうこともあります。
 
 



(ふるさと文化館前の椅子の近くを歩いている時の様子。この後、テーブル、いすは点字ブロックから少し離して置くようにしていただけました。)
 
そのため、区立施設内で点字ブロック周辺にものを置かないよう、区職員、委託職員に啓発するとともに、区民、民間事業者への啓発をさらに進める必要がありますが、区の取り組みをお聞きします。
 
先日私がおこなったまちあるきでは、視覚障害のある人とふるさと文化館の周辺を歩いたのですが、その際、ふるさと文化館の建物から出て階段のほうに向かって点字ブロックに沿って歩いて行くと、階段を降りる前に階段の手すりにぶつかる構造になっていることが分かりました。
 
 

点字ブロックと手すりが同じ線上に位置していること、また警告ブロックが手すりの真下にあって、警告ブロックに至る前に手すりにぶつかるようになっていたためです。視覚障害のある人からのこのご指摘を受けて、新たに警告ブロックを手すりの一歩手前に設置し、手すりにぶつかる前に分かる形へと変更する対応をしていただきました。
 
 

 
せっかく設備があるものの実際には不備が生じてしまっている箇所については、当事者による点検により対応していくことは重要ですし、今回のような迅速な対応がシステム化して、障害のある区民の区政への参画がより一層進むと良いと思いますが、区の考えをお聞きします。
 
また、区立施設における点字ブロックの色について伺います。
国交省の示す「移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める省令」には、「視覚障害者誘導用ブロックの色は、黄色その他の周囲の路面との輝度比が大きいこと等により当該ブロック部分を容易に識別できる色とする」とあります。点字ブロックは視覚障害のある人がその凹凸によって識別するだけではなく、弱視の場合、その色によっても識別するからです。
しかし、施設敷地内の点字ブロックは、全体の色合いとの調和をはかるためか、グレーなど識別しづらい色の点字ブロックが敷設されていることも多く、区立施設でも同様の箇所が見られます。
少なくとも区立施設に関しては、路面との輝度比が大きい点字ブロックを設置すべきと考えますが、現状ではそのようになっていない箇所があることについて、区としてどのような判断をされているのか、そして今後の方針をお聞きします。
 
次に、視覚障害のある人が楽しめるものの充実についてお聞きします。
ふるさと文化館には触って楽しめる美術品が展示されており、そのタイトルには点字による説明もあるために楽しむことができた、というご意見をいただきました。
 
 

このように、触って楽しめるものがあると、視覚障害のある人がよりまちを楽しむことができます。大泉学園駅前にアニメの像がいくつか立っている大泉アニメゲートも視覚障害のある人が楽しめるということです。このように、触れて楽しめるものを街中や、美術館等の企画の中で取り入れていくことは、ユニバーサルに楽しめる場づくりとして必要なことではないかと考えますが、区の方針をお聞きします。
また、せっかくそのような楽しめるものがあっても、そういうものがあること自体を知らない障害のある人も多くいらっしゃると考えられることから、障害のある人が楽しめるまちの中の資源についての発信のしかたも工夫する必要があります。区の考えをお聞きします。
 
次に公共施設のアクセスルートに関する取り組みについて伺います。
練馬区は昨年、「公共施設のアクセスルート ユニバーサルデザインガイドライン」を策定し、今後、取り組みを進めるということでした。今年度は練馬駅周辺をモデル地域として進めていくということですが、具体的にはどのような取り組みをするのか、またモデル地域の実施を踏まえて来年度以降はどのように進めていくのかを伺います。
 
 
(福祉部長)
点字ブロックの啓発についてです。
点字ブロックは、視覚障害者が安全歩行するための重要な情報の一つです。区職員や委託職員に対しては、障害者差別解消法の研修、区民の方には、講演会や権利擁護の啓発冊子の中で点字ブロックの周辺に物を置かないよう周知しています。今後とも、機会を捉え、障害者の方への気づき、思いやりなどを具体的に示しながら、啓発を行ってまいります。
 
 
(施設管理担当部長)
区立施設の点字ブロックに関するご質問についてお答えいたします。
点字ブロックの整備にあたっては、その施設が建設された当時の法令基準等に基づき、床の材料等を考慮して、点字ブロックの色を個別に判断し、設置してまいりました。しかしながら、設置後、時間の経過とともに床材との色の違いが分かりにくくなった施設も見受けられます。
今後、改修等の機会を捉え、施設のバリアフリー化を図るとともに、点字ブロックについても、練馬区福祉のまちづくり推進条例に定める整備基準に基づき、床材との色の違いを判別できるよう努めてまいります。
 
(地域文化部長)
視覚障害者が触れて楽しめる美術品などについてお答えいたします。
美術の森緑地には、触れることできる動物彫刻32体があります。
美術館では今月9日まで「遊べる浮世絵展」を開催しました。すごろくや福笑いなどの触れられる点字や、うつし絵や風車を組み立てる講座を実施し、視覚障害のある方も楽しめる企画を行いました。
また、区内各所には、「田柄用水記念碑」や「服部半蔵奉納の仁王像」など触れることのできる文化財があります。
これらの文化財説明板には、スマートフォンから区ホームページの解説文にアクセスできるよう、現在QRコードを表示する準備を進めています。QRコードの位置が分かるように点字を表示し、視覚障害のある方も音声読み上げ機能を利用することで、まちなかで郷土の歴史や文化を楽しんできただけるようになります。
こうした情報については、区報やホームページで周知するほか、障害者団体にも案内してまいります。
 
(技官)
一定規模以上の区立施設や公園の新設、大規模改修に再しては、高齢者、障害者、乳幼児連れの方により、類似の既存施設の点検をしていただき、ご意見を設計に反映しています。類似の施設として点検した既存施設についても、点検の結果を基に必要な改修を行っています。今後も継続して、取り組んでまいります。
駅と公共施設とを結ぶアクセスルートのバリアフリー整備についは、昨年、ワークショップ等を開催して、高齢者、障害者の方などから意見を伺い、主要な公共施設12か所と練馬駅など5駅を結ぶルートを指定し、改善方針を取りまとめました。
今年度は、練馬駅周辺をモデル地区とし、点字ブロック、誘導サインなどの整備を進めることとしており、西武鉄道や東京都と協議を行っているところです。引き続き、他の駅についても、整備を進めていきます。