5月に障害のある人の視点でまちあるきをするイベントを行ないましたが、障害のある当事者の方と過ごす経験の中で見えてきたものがありました。そのときのことはこちらの区政レポートをご覧ください。

そこで一般質問でも、バリアフリーについて取り上げました。分量が多くなりますので、二度に分けてご紹介します。
 
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(かとうぎ桜子)
次に、バリアフリーについて伺います。
先日、私は、障害のある人と一緒にまちあるきをするという会をやりました。視覚障害のある人、車いすユーザーの人と一緒に時間を過ごし、みんなが楽しくまちですごす、ということを考えました。まちを歩く経験の中で、改めて見えてきたバリアフリーの課題についてお聞きしたいと思います。
まず、障害のある人が使うトイレについてです。
「だれでもトイレ」は、車いすを利用している人が入りやすい広さがあり、オストメイトの設置などがされていますが、大人用のおむつ交換台は必ずしも設置されていません。赤ちゃん用おむつ交換台は設置されていることが多いものの、大人用のおむつ交換台はあまりないために、おむつ交換による排泄介助を要する障害のある人は非常に出掛けづらさを感じると伺いました。どうしてもおむつ交換台が見つからず、トイレに行く必要がある場合は、やむを得ずトイレの床にシートを敷いて排泄介助を行なうこともあるそうです。これは当事者にとっても介助者にとっても心身に負担のかかる状況であるといえます。
そこで、改めて練馬区のバリアフリーマップで、だれでもトイレの状況を見てみました。大泉学園駅の周辺を例に挙げると、大泉区民事務所、ゆめりあホール、大泉総合福祉事務所、勤労福祉会館、障害者地域生活支援センターさくら、牧野記念庭園など、駅周辺にある区立施設に関してはどこにも大人用のおむつ交換台がありません。これでは、おむつ交換を要する障害のある人は安心してまちを楽しむことができません。
なぜ、大人用のおむつ交換台をこんなにも設置していないのか。練馬区としてはどのような基準を設けて判断してきたのかをまずお聞きします。
また、少なくとも、地域の中で、「半径何キロ以内に1か所は設置する」などの基準を設け、障害のある人がでかけやすい地域づくりをするべきではないでしょうか。考えをお聞きします。
 
次に、バリアフリー設備の情報発信について伺います。
練馬区のバリアフリーマップは、だれでもトイレの有無、エレベーターの有無などを検索できるようになっていますが、だれでもトイレの中にどんな設備があるのかまでは検索できませんので、ひとつひとつの施設の情報を開いて見なければなりません。
だれでもトイレがあるかどうかだけではなく、そこにオストメイト、ベビーベッド、大人用ベッドなどがあるかどうかということが、利用する人にとって重要なポイントですので、バリアフリーマップの検索システムの充実をすべきと考えます。区の考えをお聞きします。
 
また、特に駅周辺に関しては、駅構内のトイレ、民間商業施設などもだれでもトイレを設置している場合がありますので、それらの情報も収集し、区民が使える情報として連携させて発信する工夫もすべきではないかと考えますが、区の考えをお聞きします。
 
(技官)
区では、福祉のまちづくり推進条例により、5000平方メートル以上の商業施設や医療施設等の新築の際に、大人のおむつ交換ができる大型折りたたみベッドの設置を義務付けています。条例により、こうした規定を設けているのは、都内では練馬区のみであり、介助が必要な高齢者や障害者の方が、安心して外出できる環境づくりを積極的に進めています。大泉学園駅周辺においても、駅北口にあるリズモ大泉学園に設置しています。
各施設におけるバリアフリー設備は、基本的には、当該施設を訪れる人のために、施設の設置者が、法令の規定や利用状況などを勘案して、必要なものを整備しています。施設の用途や規模に応じて整備するバリアフリー整備について、地域単位で配置を定めることは、困難です。
一定規模以上の区立施設や公園の新設、大規模改修に再しては、高齢者、障害者、乳幼児連れの方により、類似の既存施設の点検をしていただき、ご意見を設計に反映しています。類似の施設として点検した既存施設についても、点検の結果を基に必要な改修を行っています。今後も継続して、取り組んでまいります。
駅と公共施設とを結ぶアクセスルートのバリアフリー整備については、昨年、ワークショップ等を開催して、高齢者、障害者の方などから意見を伺い、主要な公共施設12か所と練馬駅など5駅を結ぶルートを指定し、改善方針を取りまとめました。
今年度は、練馬駅周辺をモデル地区とし、点字ブロック、誘導サインなどの整備を進めることとしており、西武鉄道や東京都と協議を行っているところです。引き続き、他の駅についても、整備を進めていきます。
 
(福祉部長)
バリアフリーマップについてです。
だれでもトイレ内の設備については、区のホームページを開くと最初に表示される画面のアイコンから検索することができます。加えて、当事者の方から「トイレ内の状況を見て確認したい」というお声をいただいたため、トイレ内部の写真についても掲載を進めるなど、情報の充実に努めています。
毎月、約2000件のアクセスがある中、わかりにくい等のお声はいただいておりませんが、利用方法等については、丁寧にご案内してまいります。
また、区内医療機関や区内および隣接自治体にある鉄道駅の協力を得て、だれでもトイレ等の情報を掲載しています。民間商業施設のバリアフリー情報についても、掲載に努めてまいります。
 
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・今回の私の質問の趣旨は、まずは行政がやるべきことを聞いているのであって、なぜ民間のことを混同させた回答をするのだろうかと思います。
・大人用のおむつ交換台に対する条例の規定を作っているだけ努力している方なんだという主張をしたいということは分かった。でも実際にはそれでは不十分だから質問しているわけです。規制の対象となる5000㎡以上の建物がどれだけあるというのか。
・「施設はその施設の利用者のためにあるものだから、地域単位で整備するのは難しい」。それは、民間に求めるのは難しいだろうけど、だからこそ区立の施設は地域の拠点でもあるという役割をふまえて、施設面積にかかわらず地域バランスを見て必要なところに整備をすべきではないかと言っているのです。私、質問の中でずっと、区立施設の話しかしてませんよね。
・同様に「大泉学園駅周辺ではリズモ大泉学園にあります」っていう回答。だからそれ、民間施設の話でしょ。私は区立でやれって言ってるんだし、民間についてはそれぞれがそれぞれでやっているのを当事者が収集するのは大変だからその情報をまとめて提供する方法を考えるべきと言っているわけ。
 

質問内容をきちんと精査して誠実に受け止めた回答をしてほしいと思います。