9月11日に行なった一般質問での自殺対策について、3回目です。

今回の要旨は、

①啓発をどのように充実させていくか。

②図書館等、区立施設に困ったときの相談先が分かる各種リーフレットを設置し、どういう種類のリーフレットが一番持っていってもらえるかを分析することで、その後のその地域の対策につなげては。

③学校における取組について、昨年の一般質問で答弁された内容を現在どのように取り組んでいるのか。

④学校における取組についての東京都との連携の考え方は。

⑤遺族支援はこれまでどのように取り組んできたか。また今後の考えは。

⑥自殺対策の今後の進め方について、東京都の動きをどのように聞いているか。

⑦ ⑥の内容を受けて、区としてはどのように計画策定に取り組むか。

⑧今後実施されるトップセミナーには区長は参加する考えか。

 

区が計画作りをするのは、区も答弁している通り、国や都の考え方がもっと出てきてからになると思います。

しかし、色々と独自の取り組みをしている区と比べ、練馬区はまだまだ努力すべき点があると私は思いますので、今までできなかったことを踏まえて、今後について積極的に考えていくべきと考えて、今回はこの質問をしました。

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(かとうぎ桜子)

啓発について伺います。

昨年の自殺対策基本法の改正で、自殺予防週間・自殺対策強化月間が法定化されました。

そして自殺対策大綱には「いのち支える自殺対策」という理念を前面に打ち出した啓発活動を推進すること、啓発によって援助を求めるに至った人の支援策を重点的に実施することが求められています。区は、今年はこの9月に駅前での啓発活動も実施するようですが、今後、啓発についてどのような方針で充実させていくかを伺います。

 

また、区民が手に取りやすい場所に、困ったときの相談先が分かるリーフレットなどの資料を置くことが必要です。

例えば様々な区立施設、特に図書館などに各種のリーフレットを分かりやすく設置するべきと考えますが、いかがでしょうか。

相談先について記された様々なリーフレットを置き、どれが一番持って行ってもらえるかを分析することで、その地域、その区立施設によって、どんな困りごとを持った人がいらっしゃるのか一定の傾向をつかめて、今後の取り組みに生かすこともできますので、単にリーフレットを置くだけではなく、その状況の分析をしていくことも提案しますが、考えをお聞きします。

 

次に学校におけるとりくみについて伺います。

自殺対策大綱には、「児童生徒が命の大切さを実感できる教育に偏ることなく、社会において直面する可能性のある様々な困難・ストレスへの対処方法を身に付けるための教育、心の健康の保持に係る教育を推進するとともに、児童生徒の生きることの促進要因を増やすことを通じて自殺対策に資する教育の実施に向けた環境作りを進める」とあります。昨年の一般質問では、「各学校での教員同士の学びあいや校内研修、新たに教育委員会での研修を実施するなど教員の育成に努める。また、学校教育支援センターを中心とする関係機関のネットワークを築く」という答弁がありましたが、現在の取組状況を伺います。

 

また、東京都が実施している自殺総合対策東京会議の記録を見ますと、都から学校に対して通知をしたり、各職種の連絡会での周知の他、昨年度から全公立学校長を対象とした自殺防止教育連絡会を開催しています。また今後、いじめ防止の取り組みを発展させることや自殺予防教育プログラムの開発も検討しているようです。そこで、今後の区としての都との連携について、考え方を伺います。

 

次に、自殺で家族を亡くされたご遺族への支援について伺います。突然大切な家族を亡くした人にとって、現実を受け止めることも困難な中で、死亡にかかる手続きを含め、役所における様々な手続きをしなければならないことは大きな負担となります。先ほど提案した「つなぐシート」のような役所での寄り添いのしくみは、遺族支援という点からも必要になります。また、ご遺族のメンタル面でのケアや同じ境遇にある当事者の会のご紹介なども必要です。港区では、自殺に限らずどんな理由であれご家族を亡くされ死亡届の手続きをしに来たすべての人に対して「ご遺族の方へ」という冊子をお渡しし、必要な手続きや相談窓口が分かりやすくするといった取り組みもしているそうです。

練馬区は今まで遺族支援についてどのような取り組みをしてきたのか、また今後の考えを伺います。

 

次に、計画策定に向けての今後について伺います。

今後、自殺総合対策推進センターから自殺実態プロファイルや政策パッケージ、ガイドラインなどが示されること、また都道府県ごとにトップセミナーの開催もされるということですが、現在東京都の動きをどのように聞いているかをまず伺います。

そのうえで、区としては今後、どのように計画策定に取り組むかを伺います。

 

また、トップセミナーには区長が参加し、そこから区としての全庁的な今後の取り組みにつなげていく必要があると考えますが、区長が参加する予定をされているかどうかも伺います。

 

自殺対策の観点で区役所内の体制を見直すことにより、すべての区民が安心して困りごとを相談できる区役所になると考えますので、今後、積極的な自殺対策の取り組みを進めることを求めて、次の質問に移ります。

 

(健康部長)

自殺防止の啓発活動についてです。

自殺を防止するためには、家族や同僚など身近な人が自殺を考えている方の発するサインに気づき、困難を受け止め、専門の相談機関や医療機関につなぐことがポイントとなります。

また、悩みを抱えている方には相談できる窓口を知っていただくことが重要です。

 

これまで、3月の自殺対策強化月間には、予防のポイントや相談先を紹介する啓発記事を区報に掲載するほか、区役所アトリウムでのパネル展示を行なっています。また、区立図書館と連携し、啓発リーフレットにあわせて自殺防止の相談につながると所の展示を行なうなど、リーフレットの効果的な配布に取り組んできました。

今年から、9月の自殺予防週間にあわせて、都および鉄道会社と連携して、相談窓口を記載した啓発リーフレットなどを配布する街頭キャンペーンを実施します。

また、うつ病などの早期発見のため、ストレスチェックのリーフレットを作成し、保健相談所や福祉事務所、区民事務所などで配布するとともに、区ホームページに掲載しています。

今後も、SNSなど様々な媒体を活用した周知や、区立施設をはじめ関係機関の相談窓口に来所する方のニーズに合わせたリーフレット配布など、啓発方法を工夫してまいります。

 

次に、遺族の方への支援については、自殺者のご遺族に限らず、死亡届を出された方には必要な手続きを一覧表にしてご案内しています。

また、保健相談所では遺族の方の相談窓口などを記載したリーフレットをお渡しするほか、区ホームページの自殺対策の項目の中で「いのちと暮らしの相談ナビ」など遺族の方が相談窓口を検索できるサイトを紹介しています。

引き続き、遺族の方が必要な支援を受けられるよう、関係機関や民間団体と連携して取り組んでいきます。

 

次に、区の地域自殺対策計画についてです。

東京都は、国が示した自殺総合対策大綱および今後示される計画策定ガイドラインに基づき、自殺対策計画を策定する予定です。

区は、都の計画策定を踏まえ、実態の分析や関係機関の連携など、地域自殺対策計画の策定に向けた検討を進めてまいります。

なお、東京都のトップセミナーについては、内容、開催日時や参加対象などは検討中であると聞いております。

 

(教育振興部長)

教育委員会では、毎年受講対象者を変えながらゲートキーパー研修を実施し、ひとりでも多くの教員が児童生徒の様子に気づき、的確な対応ができるよう取り組んでおります。

また、定期的に校長会等でも自殺予防を取り上げ、日ごろから児童生徒の様子を注意深く見守るとともに、変化がある場合は、学校教育支援センターから心理相談員を派遣し児童生徒や保護者と面談を実施するなど、関係機関が連携しながら自殺防止に向けて組織で対応しているところです。

 

東京都との連携については、東京都教育相談センターをはじめとした相談窓口の周知や教員向けの自殺予防の資料配布等、継続して行なっております。

 

今後も東京都の動きを注視しながら、学校におけるこどもの悩みや不安への対応、教員の育成に取り組んでまいります。