今日9月11日の本会議で一般質問を行ないました。

 

動画をyoutubeに載せました。こちらもご覧ください。

 

 

今回質問したテーマはまず、自殺対策。

かなりの時間を使って自殺対策について聞きましたので、長くなるためブログでは3回に分けて書きます。

 

まず1回目。

今回ご紹介する質問の要旨は、

①練馬区の自殺の実態に対する区の認識を改めて聞かせてください。

②自殺を未然に防止するために自殺未遂者支援として医療機関との連携が必要だが、今まではどのように考えてきたんですか。今後どのように進めていくんですか。

③自殺防止の観点からの精神科病院との連携についても、今までどのように行ってきたか、また今後はどのように取り組むのですか。

 

という3点です。

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(かとうぎ桜子)

自殺対策についてうかがいます。

日本の自殺者数は1998年から毎年3万人を超える状態が続いてきました。2006年に自殺対策基本法が施行され、2012年に自殺者数はようやく3万人を切りましたが、先進諸国と比べるといまだ自殺率は高い状況にあります。

2016年、自殺対策基本法が改正され、この7月には自殺対策大綱が閣議決定されました。大綱では、当面の目標として2026年までに、2015年の自殺者数と比べ30%以上減少させることとしています。また、できるだけ早期に目標達成し、達成された場合には見直し期間にかかわらず、目標を見直すものとされています。また、東京都では自殺総合対策東京会議が開かれて、法改正後の都の事業の進め方について議論がされています。

昨年一般質問をした際、練馬区の答弁は、「国の大綱・都の計画を勘案し、区の実情を踏まえて計画策定に取り組む」というものでしたので、今後東京都の計画について考え方が示されれば、区としての計画づくりが始まるという段階に入ってきます。

そこで今回は、改めて今までの練馬区の自殺対策の取り組みを振り返り、今後すべきことについて質問したいと考えています。

今回示された自殺対策大綱には、「自殺は、人が自ら命を絶つ瞬間的な行為としてだけでなく、人が命を絶たざるを得ない状況に追い込まれるプロセスとして捉える必要がある」との記載があります。生きるのが辛くなっている区民の置かれた状況をどう改善できるか、生活上の困りごとを抱えて行き場のない状態になった区民を見逃さない相談支援体制づくりという観点で、練馬区としても自殺対策に取り組むべきと考えます。

 

まず、練馬区の自殺者の実情について、あらためて認識を伺います。

毎年、100人を超える区民が自殺により亡くなっています。その実情を区はどのように捉えているでしょうか。

2年前の決算特別委員会で、若者の自殺予防という先駆的な取り組みをしている荒川区を例に取り上げながら質問した際に、「練馬区では自殺者数が全国平均や都の平均と比べて少ないので、荒川区が若者に特化した支援をしているような特別な取り組みは練馬区ではするつもりはない」という答弁がありました。しかし、私は自殺対策についてそのような捉え方をすることは誤りであると考えます。毎年100人を超える自殺者がいる状況は、決して少ないとは言えません。この問題に先駆的に取り組んでいる足立区や荒川区と練馬区を比べると、例えば2014年、足立区は自殺者142人で10万人あたりの自殺率21.2、荒川区は38人で自殺率18.3、練馬区は139人で自殺率19.5です。自殺者数も自殺率も練馬区は特別に低いとは言えないのではないでしょうか。それに、そもそも、自殺の問題は数や率だけで捉えるべきものでもありません。一人一人の命は、いったん失われたら後から取り返すことはできません。一人でも多くの区民が、「もう生きていられない」という状況から脱することができるよう努めることが区の責務であり、今後取組を進めるに当たっては、現状の自殺者の実態を真摯に受け止めるところからスタートすべきではないかと考えます。改めて区の認識を伺います。

 

次に自殺を未然に防ぐための具体的な支援について伺います。

生きることが辛いと感じている区民に、具体的な支援方法を届けていくことが必要です。その方法として、自殺対策大綱でも、自殺未遂者支援や精神科との連携の必要性が示されています。

そこで第一に自殺未遂をしてしまった人にその後の継続的な生活支援を届け、再び自殺を企図することを防ぐために医療機関との連携で情報を届けることが必要ですが、今まで練馬区は自殺未遂者支援の観点で医療機関との連携はどのように考えてきたか伺います。また、医療機関については都の取り組みの中で医療機関向けの研修が行われていますが、今後現場レベルでの連携をするために、都・区・医療機関での取り組みが必要になります。今後どのように進めていくかを伺います。

自殺の防止の取り組みの第二に、精神科についても同様に、患者さんが今後生きていこうと思える支援を届けるために連携し情報を届ける必要がありますが、この点についても今までの取り組み、そして今後の考え方を伺います。

 

(健康部長)

はじめに、練馬区の自殺者の状況についてです。

区が把握している年間の自殺者数は、国や都と同様に減少傾向にありますが、依然として100人を超える尊い命が失われています。

引き続き、自殺予防の啓発やゲートキーパーの養成、相談支援の充実などに取り組む必要があると考えております。

 

次に、自殺防止に向けた支援についてです。

自殺未遂者支援については、都が、救急医療機関と支援機関等をつなぐ「東京都こころといのちのサポートネット」を運営しています。区はこのサポートネットからの情報に基づき支援を行なっています。

 

次に、精神科医療機関との連携についてです。

区内の精神科医病院や診療所、訪問看護ステーションのほか、都の精神保健福祉センターなどに参加していただく練馬区精神保健医療福祉連絡会において、自殺予防の取り組みの推進について協議しています。今後、都が策定する自殺対策計画をふまえて、精神科医療機関とのより広域的な連携を検討してまいります。