昨日で区議会第二回定例会が終わりました。
この定例会では新しい議長を決めたり、それぞれが所属する委員会を新しく決めたりするのですが、私は健康福祉委員会と総合・災害対策等特別委員会になりました。久々に福祉の委員会に入れて嬉しい(*^_^*)
今回の定例会で、空き家対策と「ごみ屋敷」対策の条例が出てきました。それに対して、「ごみ屋敷は空き家と違って人が住んでいるから一緒くたにはできない。人権侵害しない配慮と対応が必要だ」ということで、生活者ネット、市民の声、オンブズマンの議員さんたちから、「この条例からごみ屋敷に関する記載を削除する」という修正案が出てきました。
住んでる人を迷惑な人扱いするのではなくてサポートしていく視点は欠かせないと思いますし、別個の条例を作るやり方もアリだと思いますが、かといって今回区側から示された条例案では問題が生じるとまでは私には思えませんでした。
それで、最終日の本会議で討論をしました。以下に内容を紹介します。
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市民ふくしフォーラムとして、議案第44号に対する修正動議に反対の立場で討論します。
議案第44号「空き家等および不良居住建築物等の適正管理に関する条例」は、空き家となって放置されている家屋への対策のほか、いわゆる「ごみ屋敷状態」となっている家屋への対応について定めるものです。
それに対して修正案は、条例案の中のごみ屋敷対策に関する記載は削除するというものですが、「空き家とごみ屋敷とでは、居住者の有り・無しに違いがあり、区としてのかかわりの持ち方、対応のしかたも異なってくることから、ひとまとめにするのではなく分けて対応すべき」という趣旨から出されたものということです。
これまで区は、環境課を中心に保健・福祉など多部署で連携しながら、ごみ屋敷となってしまった家への対応をしてきましたが、解決が困難な部分もありました。
繰り返しごみをため込む、あるいはごみが処分できずに衛生状態に問題が生じているということは、客観的に見ればその人は、例えば体調が悪いとか、生活に困窮していて衛生状態に気を配る余裕がないなど、生活に何らかの問題が生じているのではないか、ということが考えられます。しかし、たとえ困難な環境にあっても、本人が「困っている」という感覚を持っていない場合、保健師や民生委員が訪ねたとしてもその後のケアやサポートまでにはつながりづらく、問題の根本的な解決に至らない場合も多かったのではないかと思います。
そうした、これまでの区の対策の実情や課題をふまえ、ごみ屋敷に対する一定のルールを作る必要はあると考え、議案第44号の原案に賛成し、修正案に反対をします。
ごみ屋敷とその居住者への対応を条例に定めることによって、それを根拠に当事者にアクセスし、当事者と対話する中で保健福祉等の支援につなげるツールとして活用することを求めます。また、「近隣からの苦情に対応するためにごみ屋敷への対策を取って居住者への個別支援をする」という観点だけではなく、その後、その地域でお互いが安心して暮らしていくための地域コミュニティへのサポートの視点もこれを機会に進めていくべきです。
また、現に人が居住している家に介入することには慎重さが求められることから、条例を実施するに当たっては透明性の確保を強く求めます。具体的には、審議会において精神保健、住まいの福祉、地域福祉に詳しい専門職も委員に加えて、居住者とその地域に対する福祉的な観点からの適切な対応の検証をすることです。そして、実施する中で必要な場合にはさらなる条例改正や計画の改正等、実情に沿った新たなルール作りも含めた対応をしていく必要があります。
居住者にとっても近隣住民にとっても「ここで暮らして良かった」と思える環境づくりに寄与できる対策を進めることを求めて討論とします。