2月20日、大泉学園のゆめりあホールで「犬と猫と人間と2」の上映会をおこないました。

アットホームで素敵な雰囲気の会になりました。


映画は東日本大震災の時に飼い主と離ればなれになってしまった犬や猫、そして牛のお話。
だけど、今の日本の社会で多くの動物は、動物の力だけでは生きられないから、動物に起きている問題の背景には人間の問題があります。

今まで家族同様に大切にしていたペットを失った人。家族を失ったのと同じように悲しいけれど、人間もたくさん亡くなっている中では、その悲しい思いはほかの人には言いづらいという気持ちで我慢している。

震災で大切な人や大切にしてきたものを失って、動物を飼うことでその気持ちを埋めようとする人もいる。でも、それでは喪失感を埋められなかった場合、動物を飼いきれなくなるなどの新たな課題が生じる場合もある。

そんな、動物との関わりの中で人間に起きる様々な課題を取り上げているのがこの映画です。

ご参加いただいたみなさんからは、「この映画は人間の問題を描いているんだと思った」「動物も被災していて大変な思いをしてきたことに今まで思い至らなかったけれども、映画を見て課題を知り、自分にもなにかできることがないかと思った」といった感想をいただきました。

(2分間の映画の予告篇がこちら にありますので、映画をご覧になれなかった方は見てください。)


上映会場では、動物の姿にふと微笑んだり、悲しい現実に息を呑むという、参加いただいた皆さんの息遣いも感じられました。

映画の中にはいくつか、被災した動物を飼育しているシェルターが登場しますが、そのうちのひとつ、SORA に定期的にボランティアに行かれている区民の方が会に参加して下さり、上映後にひとこと話してくださいました。

この方は、夜行バスで福島に行って朝からボランティアをし、その日の夜行で帰ってくるか宿泊して次の日帰ってくるという活動を、かなり頻繁にされているということでした。

SORAは犬が多いけれど、スタッフは2名なので、たくさんのお手伝いがなければ犬たちが満足出来るだけ散歩させてあげることができないので、ボランティアさんに来てもらいたい状態だそうです。


201402202.jpg
(上映後に、ボランティアに行っている方からお話を聞いている様子。上映直後でプロジェクタがまぶしいので、人が両端に寄っています(^^;)


ちなみに私が何度かボランティアに行った福島県動物救護本部は、行政がやっているシェルターですが、猫の方が多いです。猫の世話はひたすらトイレ掃除とえさやりを繰り返すのですが、なつっこい猫はトイレ掃除をしている人の膝の上に乗ってきます。

各地域でやっているシェルターはおそらくどこも人手が足りない状態で、人手が足りなければ物理的に1匹ずつに丁寧に関わる時間が持てないため、動物たちのストレスにつながる面があると思います。そういう状態は、ずっと関わっているスタッフさんにとっても辛いことだと思うので、もし「震災のボランティアをなにかしたいけれども、今、何ができるかわからない」と思っている方で、動物が好きな方は、こうしたシェルターにお手伝いに行くのも良い方法ではないかと思います。

また、動物がたくさんいれば、餌の消費量も大変なものですから、実際働くボランティアができなかったとしても、カンパや餌の現物の寄付などもとても喜ばれると思います。

ちなみに、SORA以外の映画に登場するシェルター等のHPのリンクを以下に載せます。

アニマルクラブ石巻
LYSTA
希望の牧場
やまゆりファーム
震災で消えた小さな命展


上映会場では、ロビーで関連商品(パンフレットなど)の販売、そして南相馬ファクトリー という団体の作っている缶バッジなどの商品の販売もしました。ここは、福島の作業所で働く障害のある人のお仕事作りとして、缶バッジなどの商品を作っているところです。


201402201.jpg


27日は、「犬と猫と人間と2」のプロデューサーを務めた飯田基晴さんが監督した「逃げ遅れる人々」の上映会を行います。こちらは東日本大震災で被災した障害のある方からお話を聞いたドキュメンタリー映画。上映後は飯田基晴さんのお話もあります。商品販売してくれている南相馬ファクトリーに関わっている方からも、震災時の障害のある方の状況というお話をお聞きできればと思っています。

「逃げ遅れる人々」の予告篇はこちら

当日券あります。600円です。ぜひご参加ください。(当日ご参加いただける場合は、開場時間18時30分以降に直接、大泉学園駅北口6階のゆめりあホールにお越し下さい。)