区は今年の2月に「防災の手引」という36ページだての冊子を作りました。データはこちら からご覧になることができます。

東日本大震災のあと、練馬区も地域防災計画を見直しました。災害対策といっても幅広い課題があり、情報格差が生じやすい面もあります。そこで練馬区の災害対策が網羅的にわかる冊子が作られたというわけです。
冊子ができた後、今年の3月中旬から下旬にかけて区内全戸配布(ポスティング)がされました。
皆さんのお手元には届いた記憶がありますか?保存していただけているでしょうか。

せっかくの冊子をより活用する方法を考えなくてはいけないという点から質問をしました。

また、災害時にはたくさんの困りごとが生じますが、女性が避難所で困ってしまうこと(たとえば寝るスペースがきちんと区切られていなくてよその男性がすぐ近くに寝ている状態になる、下着などの洗濯物を干すスペースが配慮されていない、トイレが男女別に分かれていない、授乳スペースが分かれていない、などのことから性暴力の危険も高まる)があります。
練馬区は地域の避難拠点の運営について話し合って備える「避難拠点運営連絡会」に女性の参画を促し、女性の視点からの災害対策も進めていくということなのですが、より多くの区民の方々にこうした課題があることも知っていただく機会を作る必要があるという点も指摘しました。

'(かとうぎ桜子)
防災の手引広告掲載料に関連して伺います。
防災の手引は、全戸配布されたかと思いますけれども、この中に広告の掲載がされています。広告の内容は、防災関連のもので関連しているページに載せる工夫もされているので、区として、広告収入という面だけではなくて、読んだ方にとって、民間による防災の取り組みも知ることができる利点もあるのではないかと感じました。

広告を掲載している事業者から、手引に掲載したことによって区民からのお問い合わせなど何か反応があったか、また掲載したことへのご意見等、お聞きになっていればお聞かせください。

(防災課長)
防災の手引の広告主からでございますけれども、営業実績よりも行政が発行する冊子に載せることによりまして、広く知ってもらえる。また、企業や団体のイメージアップを期待しているという声を聞いてございます。

(かとうぎ桜子)
手引には、幅広い災害対策がさまざま載っている冊子になっていますけれども、全戸配布するだけだと、なかなか十分に活用できない面もあるのではないかと思います。防災に関する講座などの際に活用すべきではないかと思いますけれども、今までそういう取り組みをされてきたか、また今後どのように取り組んでいくか、お考えをお聞かせください。

(防災課長)
防災の手引に関しましては、委員のご説明にありましたとおり、全戸配布をいたしまして、区民の方々に啓発をしたところでございます。
また、その後の活用でございますけれども、防災学習センターで実施してございます防災カレッジ事業におきましてさまざまな事柄を学んでいただくときに、その項目を抜粋したコピーを渡しながら説明をするなど活用してございます。この際、またご自宅で、改めて防災の手引をごらんいただけるよう、ご案内もしているところでございます。
今後の活用につきましても、同様の形を取ってまいりたいと考えてございます。

(かとうぎ桜子)
私の周りの人に聞いてみたのですけれども、全戸配布されたことをご存じない方が結構いらっしゃって、とてももったいないことだと思いますので、いろいろな機会に活用していただければと思います。

防災の手引の19ページに、避難拠点について書かれています。そこに、女性や高齢者、障害者への配慮についても書かれています。災害時の女性への配慮について、取り組みを伺いたいと思います。
今まで防災懇談会などの場で、災害対策について検討されてきたかと思いますが、防災懇談会では、災害時の女性への配慮についてどのようなご意見が出ていたか、お聞かせください。

(防災課長)
直近で申しますと、今年9月に開催いたしました防災懇談会におきまして、避難拠点で女性専用の部屋をつくれないかといったご意見を、新しい女性委員の方にいただいたところでございます。

(かとうぎ桜子)
いろいろご意見をいただいて、練馬区としては、女性への配慮を実現するためにどのような取り組みをしてきたのか。それから、この問題について、多くの区民の方に知っていただくための啓発はどのように進めているか、お聞かせください。

(防災課長)
区では、地域防災計画に基づきまして、既に、女性や高齢者などに配慮した拠点の運営に努めているところでございます。女性への配慮という点で申し上げれば、女性のプライベート空間として更衣室ですとか授乳室の空間の確保につきまして進めているところでございます。

なお、8月31日に開催いたしました大泉小学校での防災フェスタの会場におきまして、体育館の中で更衣室を活用した避難拠点仕様の女性更衣室など、訓練としてつくり込まれていたということもございます。

区民の方の周知につきましては、こういった手引や訓練を通じまして周知を図っているところでございますけれども、今後も取り組んでまいりたいと考えてございます。

(かとうぎ桜子)
災害時に女性が抱える困難については、東日本大震災のときにも指摘されたところですけれども、あらかじめ備えておくということと、多くの人が、こういったいろいろ課題が出てくることを知るという、両方の側面が必要だと思います。

男女共同参画センターでは、昨年度、災害時の女性の問題についての講座ということで、仙台の男女共同参画センターの方や、男女共同参画の観点から避難所の訓練の取り組みをしたというお話を伺ったと聞いています。

ぜひ今後もこういった営発の取り組みをやっていただきたいと思いますし、ほかの地域の取り組みを知るということだけではなくて、練馬区で実際どうなのかという状況を、区民の皆さんとともに考えていくためにも、男女共同参画課と防災課がしっかり連携してやっていっていただければと思いますので、よろしくお願いします。