786.襲名は 伝統芸術 磨くため 醜名ならば 唾棄し無視する

 

 NHKEテレ📺は金曜日の9時から『芸能きわみ堂』を放送する。6月7日に取り上げたのは文楽の豊竹若太夫。

 2024年4月、6代目呂太夫が11代目豊竹若太夫を襲名した。初代が名声を得たのは将軍吉宗から家治の治世。尚、浄瑠璃の双璧と言えば竹本派と豊竹派。

 因みに文楽とは、太夫(たゆう)・三味線人形が一体となって演じる人形劇のこと。太夫が三味線に合わせて謡い、3人の黒子(主遣いと左遣いと足遣い)が1体の人形を動かす。初心者にとっては黒子の存在が邪魔だろうが、面白いもので、物語に集中すると黒子は気にならない。

 最近の襲名と言えば、歌舞伎の11代目市川海老蔵が2022年に13代目市川團十郎を襲名した。成田屋の團十郎は大きな名跡である。筆者がよく観ていたのは12代目團十郎で、坂東玉三郎や片岡仁左衛門(孝夫)とほぼ同世代だったからだ。

 襲名とは何なのだろうか。伝統芸術の世界では立派な芸を残した先人や師匠の名前を継ぐことを意味し、責任は重い。茶道の世界では千利休を家祖とする裏千家の15代目千宗室が、2002年に家元を長男に譲り、名前を玄室に改めた。

 会社の創立者の息子・娘などを2代目とか3代目と呼ぶが、本人が父か母の名を継ぐことはない。

 庶民に襲名は関係ない。しかし慣習として取り入れれば祖先・家系に対する認識が変わるかもしれない。以下の例はどうだろう。子や孫はそれぞれ結婚するが配偶者は省く。

 

中村一郎 

 ‖   |―賢人――子が流星―――孫は(1)

 ‖   |

 ‖―――|―結衣――子が秀俊―――孫は雄大

 ‖   |

 ‖   |―咲良――子が環奈―――孫は(2)

 花子

 

 (1)流星が結婚して女の子が生まれたら、夫婦が相談して、新聞記者だった結衣叔母さんが新聞協会賞を受賞したことに肖(あやか)り👏、子の名を結衣にする。

 (2)環奈が結婚して男の子が生まれたら、夫婦が相談し、賢人伯父さんが陸上のやり投げで優勝🥇したことに因み、子の名を賢人にする。

 さて、言うまでもないことだが、祖先の中に受刑者がいれば、その名は除外する。名をカタカナやローマ字表記にした時、プー(Pu)とかチン(Chin)があったら使わない。