784.画面には いつも絆が 溢れるが 出逢いは不要 作文だけなら

 

 6月5日、厚労省は1人の女性が生涯に産む子供👶の数を示す合計特殊出生率が2023年に1.20となり、過去最低だったと発表した1。(注 合計特殊出生率(Total Fertility Rate)とは、人口を出産可能とされる15∼49 歳の女性に限定し、1歳ごとの年齢別出生率を合計したもの)

 国連人口基金2024年度版によるとG7と韓国の出生率は以下の通り2

 

 120位 フランス    1.80

 141位 アメリカ    1.70

 163位 カナダ      1.50

 167位 ドイツ      1.50

 178位 イギリス    1.63

 190位 イタリア    1.30

 192位 日本        1.30

 202位 韓国        0.90

 

 婚姻💒件数は約47万組で2022年より3万組減少した1。婚姻に近い事実婚は当事者2人が夫婦として生活するものだが、統計には含まれない。

 事実婚と言えば、『存在と無』📖の著者サルトル(1905-1980年)と『第二の性』📗の著者ボーボワール(1908-1986年)が有名だ。彼らは学生時代に出逢い、婚姻せず、子供を作らないことを約束し、終生のパートナーとなった3

 2人はフランス人。偶然とは言え、同国の出生率がG7諸国で一番高いという事実は興味深い。

 さて、出生率減少を懸念する筆者は、SNS普及が一因だと考える。

 SNSでは掲示板を通じて誰もが誰とでも繋がる。スレッドに「いいね!」が付けば仲間が増える。しかしこの繋がりは画面上での交際に過ぎない。

 現実にはどうか。彼らは面と向かって話ができる相手を探したいのだろうか。どちらかと言えば、積極的に1歩前に踏み出すことを恐れているような気がする。何故なら実際の付き合いは葛藤を伴うからだ。お互いの欠点を克服できるかできないかが関係継続の🔓になる。

 過度に恐れれば、スマホでの平面的な出会いと感情で満足するようになる。ここで忘れてはならない。感情とは目と表情と言葉と動作を1つにしたものだということ、を。

 故に、LGBTQとは関係なく、SNSの絆は恋愛😍から結婚💍、家庭🏠、出産🤰👶、子育て👦👧に発展しない。

 筆者は思う。恋愛から子育てまで進む方が人生は楽しい、何度か悔し涙を流すとしても、笑い😀に包まれる瞬間も多々ある、と。

 

[出典1 2024年6月7日付け産経新聞『出生率1.20 最低更新』]

[出典2 Wikipedia List of countries by total fertility rate(参照 2024-6-6)]

[出典3 Wikipedia シモーヌ・ド・ボーヴォワール(参照 2024-6-5)]