759.裁判官 〝時の流れに 身を任せ″ 語句を誤句とし 読み替えをする

 

 筆者は先日のブログで即断誤解という語句を使った。麗澤大の矢木秀次教授の考察1を読み、自分が同じ轍を踏んだことに気付いた。何のことか。同性婚についての地裁判決を鵜吞みにした。

 矢木教授によると、多くのマスコミ📰📺は昨年まで4カ所の地裁が同性婚を認めないことを「違憲」、「違憲状態」とする判決を出したと報道した。彼はこれを誤報だと指摘。

 根拠は何か。

 判決文は、結婚で得られるメリットの一部(例えば社会的承認)を得られるようにすべきだと書くが、同性婚導入を命じていないからだ。つまり裁判官は違憲とすることにまだ躊躇している。

 ところが今年3月14日の札幌高裁判決は、①同性婚を認めない民法などの規定は憲法第24条に違反すると明言し、②同条が同性婚を保障していると主張した。

 

 憲法第24条:婚姻は、両性👨👩の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

 

 矢木教授は、同判決には「巧妙な論理、屁理屈がある」、「単純に言えば、判決が両性を勝手に当事者読み替えている」と書く。この読み替えには「ネタ本」がある。それが千葉勝美著の『同性婚と司法』(岩波新書、2024年2月)と2年前に彼が発表した論文🖊だ。

 元最高裁判事の千葉氏は、憲法条文の意味は時代によって変遷しているので、「両性」と「夫婦」は、このご時世、「当事者」と「双方」と読み替えるべきだと主張する。

 一方、矢木氏は、この憲法解釈が「事実上の立法行為をするに等しい」と断じる。つまり三権分立を侵す、と。

 さて、筆者は同性婚に反対する。婚姻と出産は「カラスの勝手でしょ」やカッコウの「托卵」🥚ではないからである。

 夫婦別姓についても疑問がある。もしこの制度が認められた場合、事実婚と同じく別姓夫婦は「男の子を父の姓、女の子を母の姓」にするのか。それともどちらかの姓に揃えるのか。尚、成人に達した子は家裁の許可を得て、父又は母の姓を名乗ることができる2。こんなことが3代も続くと、子孫は祖先の家名を忘れてしまう。

 因みに徳川家康の正式名は、徳川次郎三郎源朝臣家康とか。

 

[出典1 2024年5月12日付け産経新聞『The考』「裏口からの憲法改正?」矢木秀次]

[出典2  https://best-legal.jp ›

夫婦別姓の場合、子供の苗字は?戸籍や親権など子供に及ぼす ... best-legal.jp 離婚 › その他男女問題2023.10.11(参照 2024-5-13)]